フィリップ・フルゴビッチは序盤の逆境を克服し、キャリア最高の勝利の一つを収めた。途中で
デビッド・アデレイを一度ダウンさせ、ユナニマス・デシジョン(判定3-0)で勝利し、WBOヘビー級セカンダリータイトルを防衛した。
フルゴビッチ(19勝1敗、14KO)は、ジャッジのマルコ・モスカデリから98-91、エンリコ・リチーニとレシェク・ヤンコウィアクから99-90の採点を得た。試合前のランキングでは、WBOで2位、WBAで5位、WBCで6位、IBFで12位に位置していた。
試合は概ねフルゴビッチが支配していたが、第8ラウンド序盤に鋭い右ストレートを叩き込み、アデレイをキャンバスに沈めたことで試合が大きく動いた。
このダウンで追い詰められたアデレイは必死に反撃し、ラウンド後半には一時的に試合の流れを取り戻すように見えた。しかしそれが最後の力の振り絞りであり、ラウンド終盤にはフルゴビッチが再び主導権を奪い返し、今年屈指の名ラウンドとなった第8ラウンドを締めくくった後、試合終了のゴングまで安定して戦い抜いた。
フルゴビッチの勝因はプレッシャーと手数であった。クロアチア出身のヘビー級は常にアデレイ(14勝2敗、13KO)をロープ際に追い込み、パワーパンチを的確にヒットさせ続けた。アデレイも手を出せば成功する場面はあったが、その瞬間は10回戦を通してごく限られたものであった。
第2ラウンド中盤には、アデレイの鋭いジャブで右目のまぶたに深いカットを負ったフルゴビッチが、試合がストップされかねない状況に追い込まれた。しかし第3ラウンド開始時にリングドクターのチェックを受け、試合続行を許された。
その後はリングドクターによる再確認はなく、トレーナーのアベル・サンチェスがラウンド間で流血をコントロールした。
フルゴビッチは、2024年6月に元ヘビー級王者
ダニエル・デュボアにTKOで敗れて以来、これで連勝を2に伸ばした。
CompuBoxの集計によると、フルゴヴィッチの総打撃数は228発で、アデラエの92発を大きく上回り、パワーパンチにおいても169発対47発で圧倒した。