ボクシングの世界では、評判がすべてだ。そして不運なことに、
フロイド・スコフィールド・ジュニアの評判は大きな打撃を受けた。
何年にもわたり、スコフィールドは
シャクール・スティーブンソンにWBCライト級タイトルへの挑戦機会を懇願し続けた。スコフィールドに恐れはなかったが、スティーブンソンは消極的だった。彼は、より実績のある名前との対戦を望んでおり、それによって自身の評価と世代を超えた富を得ようとしていた。しかし、スティーブンソンが求めた相手たちは必ずしも乗り気ではなく、そこでスコフィールドに声がかかった。
当初、
スティーブンソンは激怒していた。しかし今では笑みを抑えきれない。なぜなら、
7月12日にニューヨークで開催される『
ザ・リング・マガジン』の興行で、ウィリアム・ゼペダとの対戦が決まったからだ。
ゼペダはこれまでに素晴らしい戦績を積み上げており、対戦相手を次々となぎ倒してきた結果、28歳でWBC暫定王座を手にした。今回のスティーブンソン戦では、正式な王座獲得を狙っている。
一般的に見れば、ゼペダはスティーブンソンにとってこれまでで最も強く、最も危険な相手とされている。しかし、スコフィールドはその見方に疑問を抱いている。ゼペダという選手に対する評価についても、まったく感心していない様子だ。
「ゼペダはパンチャーじゃない」とスコフィールドは最近のMillCity Boxingのインタビューで語った。「自分には大したことない。ただの手数型のボクサーだよ」
スコフィールドは手数重視のスタイルを好まないが、ゼペダはその戦法を武器として活用してきた。特に、
テビン・ファーマーとの2連戦では、そのスタイルを最大限に活かしている。
2人が24ラウンドを戦った間、スコフィールド(18勝0敗、12KO)はペンと紙を手に取り、メモを取りながら観察していた。そして今、その知見を活かし、6月28日に予定されているテビン・ファーマーとの対戦に臨む。
ファーマーに対する印象は、スコフィールドにとって曖昧だ。かつての滑らかなテクニックを見せる瞬間もあれば、長いラウンドでは精彩を欠いた場面も目立ち、「まだ戦える」と思わせる内容には見えなかったという。
とはいえ、ファーマーへの個人的な感情とは関係なく、ファンは口先ではなく結果を求めている。信頼と注目を取り戻すには、元王者に実力を見せつけるしかないとスコフィールドは理解している。
「ゼペダとの試合では、ファーマーもいいパフォーマンスを見せたと思う」とスコフィールドは語った。「1戦目は接戦だったけど、2戦目ではボコボコにやられてた。ただ、今回は相手が違う。試合当日になれば、すべてが明らかになるさ」