ニューヨーク発 —
ウィリアム・セペダは、悪名高い
シャクール・スティーブンソン対エドウィン・デ・ロス・サントスの12回戦ライト級タイトルマッチでアクションが乏しかったことについて、スティーブンソンだけを責めているわけではない。
メキシコ出身のサウスポー、ウィリアム・セペダは、シャクール・スティーブンソンの過ちを完全に免罪したわけではない。ただ、2023年11月にラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われたWBCライト級王座決定戦で、本当に勝ちたいのであれば、エドウィン・デ・ロス・サントスはスティーブンソンの守備的な戦い方に対して違う対処ができたはずだと、セペダは理解している。
セペダは、7月12日にクイーンズのルイ・アームストロング・スタジアムで予定されている自身のスティーブンソン戦では、ドミニカ共和国のサウスポーである
デ・ロス・サントスとは真逆のアプローチを取ると宣言した。無敗で常にアグレッシブな挑戦者であるセペダは、同じくサウスポーのスティーブンソン(23勝0敗11KO)に対して積極的に攻め込み、リングを狭めることで、デ・ロス・サントス戦と同じような逃げの展開にはさせない構えだ。
「俺とデ・ロス・サントスの違いは明確だ」とセペダは、木曜日にタイムズスクエアのパラディウムで行われた記者会見の前にザ・リング・マガジンに語った。「俺たちはどちらもパンチ力があるが、俺のほうがテクニックが少し上だと思ってる。そして何より、俺は“戦争”をしに行くつもりだ。ノックアウトされようが、試合に負けようが気にしない。ファンが求めるものを見せに行く。見た目がどうとか、そんなことは気にしない。俺はここにいて、ファンのために戦争をするんだ」
高い技術を誇るシャクール・スティーブンソンは、ドラフトキングスのオッズでウィリアム・セペダ(33勝0敗27KO)に対し11対1の大本命とされている。とはいえ、多くの専門家は、セペダこそスティーブンソンにとってプロ初戦からの23人の対戦相手の中で最も手強い存在になると予想している。ニュージャージー州ニューアーク出身の三階級制覇王者スティーブンソンは、デ・ロス・サントス(16勝2敗14KO)を判定で下して獲得したWBC王座の3度目の防衛戦に臨む。
セペダは、メキシコ・サンマテオ・アテンコの自宅でスティーブンソン対デ・ロス・サントス戦をライブで観戦していた。
スティーブンソンは、ジャッジのティム・チータムとスティーブ・ワイスフェルドからそれぞれ116-112(8ラウンド対4)で支持され、もう一人のジャッジであるデビッド・サザーランドは115-113(7ラウンド対5)で採点。いずれもスティーブンソンの勝利だった。
だが、セペダによれば、スティーブンソンはデ・ロス・サントス戦で外側からのボクシングに終始し、ファンを惹きつけるには至らなかったという。
「シャクールは十分なことをしなかったと思う」とセペダは語った。「彼はデ・ロス・サントスのパワーを感じ、それを警戒してリスクを冒さなかった。もしもう少しだけパンチの数を出していたら、素晴らしい勝利になったと思う。でもあの勝ち方では、ただの普通の勝利にすぎなかった」
28歳のセペダは、毎年全米オープンが行われるテニス会場の一角で、スティーブンソンとの対戦時には観客が拍手喝采するような内容を見せると誓う。
「ファンとしてあの試合を見ていて、正直退屈だった」とセペダはスティーブンソン対デ・ロス・サントス戦を振り返る。「でもボクサーとして見れば、あれは戦略だった。彼はボクシングIQを駆使した。でもファンにとっては、あの試合はショーとは言えなかったし、ファンのお気に入りになるような内容でもなかったと思う」
もう一つの注目カードでは、スーパーミドル級コンテンダーのエドガー・ベルランガ(23勝1敗18KO)が、イギリスのハムザ・シーラズ(21勝0敗1分17KO)と対戦する。ブルックリン出身のベルランガはスーパーミドル級でザ・リング誌ランキング9位。一方、ミドル級で3位にランクされているシーラズは、今回が168ポンド級(スーパーミドル級)での初戦となる。
Keith Idecは『ザ・リング・マガジン』の上級ライター兼コラムニストです。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡できます。