ロンドン(イギリス)——マッチルーム・ボクシングの世界的拡大の次なる一歩が、12月20日にガーナで踏み出される。同社にとって西アフリカでの初の興行となる。
マッチルームCEOのフランク・スミスは、8月にガーナの首都アクラで下見を兼ねた協議を行い、その後エディ・ハーンが
『ザ・リング・マガジン』に対し、初開催に向けた契約が正式に合意されたことを明らかにした。
今回の契約自体には含まれていないが、ハーンはまた、クリスマスの5日前に行われるこの大会が、来年2月に同地で実現を目指す
アンソニー・ジョシュアの試合に向けた重要な「前哨戦」となることも示唆した。ハーンはジョシュアが年内に再び試合を行う可能性に触れていたものの、今回の興行に出場することはないと強調した。
「12月20日にガーナで興行を行う予定だ」とハーンは語った。「もちろん、これはAJ(ジョシュア)の試合ではないが、それでも素晴らしいイベントになるだろう。
この大会はおそらく、AJが現地で試合を行うための前段階になると思うが、初期契約の一部ではない。まずは現地の状況を確認する意味合いが強いんだ。
フランク(スミス)が現地を視察して非常に感銘を受けたし、今回の契約も同じ関係者とのものだ」
ハーンによるこの発表は、ガーナでボクシング活動が一時停止されてから1カ月も経たないうちに行われた。これは、アクラのブコム・ボクシング・アリーナで行われたスーパーミドル級のアーネスト・アクシェイ対ジェイコブ・ディクソン戦の後、アクシェイが死亡したことを受けての措置であった。
これを受けて、ガーナ国家スポーツ庁は「生命を守り、スポーツの誠実性を維持し、その将来を確保するため」として国内でのボクシング活動を停止する声明を発表した。
活動停止の明確な終了日は設けられていないが、新たな安全対策が合意・実施されるまで続くとみられている。それでもハーンは、12月20日の大会には影響しないとの見通しを示しており、『ザ・リング・マガジン』が得た情報によると、このイベントの開催までには停止措置が解除される見込みであるという。
「現在、どの選手をカードに加えるかを検討しているところだ」とハーンは続けた。
「ガーナにルーツを持つ選手もいれば、我々の所属選手も出場する予定だ。そして2月にはAJと共に再びガーナを訪れる計画を立てている」
関係筋によると、元世界ライトヘビー級タイトル挑戦者の
クレイグ・リチャーズ(19勝4敗、12KO)が出場候補の一人として挙がっているという。2021年にドミトリー・ビボルのWBA王座に挑んで敗れた35歳のリチャーズは、
3月にパドレイグ・マクロリーをストップして以来、リングに上がっていない。今回のガーナ大会では、マッチルームにとって歴史的なイベントのメインを務める可能性がある。
マッチルームの創設者であるバリー・ハーンは、過去にアフリカ大陸での興行経験を持つ。中でも有名なのが、1994年10月に南アフリカのサンシティ・スーパーボウルで行われたクリス・ユーバンク対ダン・ショマー戦である。しかし、西アフリカでの開催は今回が初となる。ガーナは、メキシコ、日本、アブダビ、イタリアなど、マッチルームが既に興行を行ってきた国々に新たに加わることになる。
一方、ナイジェリアでは近年、アミール・カーンとエゼキエル・アダム博士がタッグを組み、10月1日に
ブランドン・グラントン対マーカス・ブラウンのクルーザー級戦を実現させるなど、ビッグイベントの開催地として注目を集めている。
彼らは12月18日にナイジェリアの首都ラゴスで
再び大会を開催する予定であり、マッチルームのガーナ興行の2日前となる。アダム博士は今年初め、『ザ・リング・マガジン』のインタビューで、ナイジェリア系の血を引くジョシュアを2026年にラゴスで戦わせたいという希望を語っていた。
しかし、プロ入り以来ジョシュアを一貫してプロモートしてきたマッチルームが、12月20日のガーナ初興行を成功させれば、二度の世界ヘビー級王者に輝いたジョシュアの
アフリカ初登場はアクラで実現する可能性が高い。