デビッド・モレルは、キャリア最大の試合に勝つためにロニー・シールズ・トレーナーが用意した作戦を守らなかったことを悔やむ。
しかしこのキューバ出身のサウスポーは、2月1日に
デビッド・ベナビデスをはじめ、自身がエリートレベルで戦えることを疑っていた人々に対して証明できた内容には、おおむね満足している。モレルは、無敗のベナビデスの強打に耐え、自身がWBCライトヘビー級王者に苦戦を強いたことを示した。
ベナビデスは、ラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われたこの一戦を「キャリアで最も難しい試合だった」と語っている。
「俺は世界に証明した。ベナビデスは言われていたような“モンスター”なんかじゃない、と」――モレルはザ・リング・マガジンに、12ラウンドの判定負けを振り返って語った。「あいつは俺を引退させるとか、すぐにノックアウトするとか言っていた。試合前には俺への敬意なんて一切なかった。完全に軽く見られていた。ボクシング界も、たぶんそれを信じてたんだろう。俺は証明した――まずひとつ、ベナビデスは“メキシカン・モンスター”なんかじゃない。ふたつ目に、俺はこのレベルにふさわしい選手だということ。俺は最上位の舞台に立てるし、どんな相手とも堂々と打ち合えるってことを見せたんだ。」
マイアミを拠点とするモレル(11勝1敗、9KO)は、プロ初黒星で得た教訓を活かすべく、7月12日にニューヨークのルイ・アームストロング・スタジアムで無敗のロシア人
イマム・カタエフ(10勝0敗、9KO)と対戦する予定だ。モレル対カタエフは、
ザ・リング・マガジン主催の興行の一部であり、同イベントでは、スーパーミドル級のエドガー・ベルランガ(23勝1敗、18KO)対ハムザ・シーラーズ(21勝0敗1分、17KO)、ライト級のシャクール・スティーブンソン(23勝0敗、11KO)対ウィリアム・セペダ(33勝0敗、27KO)といった試合も組まれている。
ベルランガ、シーラーズ、スティーブンソン、セペダの4選手は木曜日、マンハッタンで行われた記者会見に出席し、夏に全米オープン・テニスが開催されるクイーンズの会場で行われるイベントをPRした。地元ニュージャージー州ニューアーク出身で3階級制覇王者のスティーブンソンは、WBCライト級王座の義務防衛戦として、WBC暫定王者のメキシコ人ウィリアム・セペダと対戦する。
モレルと同様に、30歳のカタエフもプロとしての経験は限られている。しかし2021年のオリンピアンであるカタエフは、モレルがベナビデス(30勝0敗、24KO)との試合でそうしたように、実績ある相手との試合で自らを試したいと考えている。
「ベナビデスと戦って多くのことを学んだ」とモレルは語る。「素晴らしい経験だった。でも最大の学びは、キャンプの初日から取り組んできた作戦を試合当日にしっかり実行することの重要性だった。7月12日はそれを徹底していくつもりだ。」
27歳のモレルは、カタエフをはじめとするライトヘビー級の強豪たちに勝利を重ね、いずれフェニックス出身のベナビデスとの再戦につなげたいと考えている。敗北を認めつつも、モレルは判定結果について、パトリシア・モース・ジャーマン(115-111)とスティーブ・ワイスフェルド(115-111)の採点は接戦をよく反映していたが、ティム・チータムの118-108は一方的すぎると感じている。
11ラウンドにはモレルにダウンが記録されたが、リプレイでは両者の足が絡まってベナビデスが倒れた様子が確認できた。その後、レフェリーのトーマス・テイラーはゴング後の打撃によりモレルから減点1を科している。
「その夜の勝者は彼だった」とモレルは語った。「彼の方が上だったし、当然の勝利だった。でも多くの人が彼のパワーを騒ぎ立てていたけど、実際にリングの中で対峙してみたら、普通の感覚だったよ。」
Keith Idec はザ・リング・マガジンの上級ライター兼コラムニストであり、
X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡を取ることができる。