デビッド・ベナビデスは、地位の高いチャンピオンに避けられることがどれほど苛立たしいものか、誰よりも理解している。
いまやライトヘビー級で“狙われる立場”となったベナビデスは、無名の相手であってもファンが望むならリスクのある試合を受ける覚悟を固めている。その姿勢は、8カ月前にラスベガスで当時無敗だったデビッド・モレルを判定で下したことで、すでに証明済みだ。
フェニックス出身のベナビデスは、モレルに勝利した後、ライトヘビー級4団体統一王者
ドミトリー・ビボルへの挑戦を望んでいた。しかしビボルは、
指名防衛戦としてベナビデスと戦う代わりに、WBC175ポンド王座を返上した。ビボル(24勝1敗、12KO)は、
背中の手術から回復すれば、ライバルの
アルトゥール・ベテルビエフとの第3戦に臨む可能性が高い。一方、ベナビデスは危険な選択肢を受け入れた。
ベテルビエフ(21勝1敗、20KO)と元統一王者セルゲイ・コバレフはいずれも
アンソニー・ヤード(27勝3敗、24KO)をストップしている。しかしイギリス人コンテンダーのヤードも強打を誇り、キャリアを復活させるべく、11月22日にサウジアラビア・リヤドのANBアリーナで開催される「ザ・リングIV」のメインイベントでベナビデスを倒すことに意欲を燃やしている。
それについてベナビデス(30勝0敗、24KO)は問題ないと語り、マックス・ケラーマンとマイク・コッピンガーが共同司会を務める番組「Inside The Ring」に出演した際に、自身のマッチメイク哲学を明かした。
「俺とデビッド・ベナビデスの株が高いことのいい点は、テーブルの上にたくさんの素晴らしい試合があるってことだ。俺がその全部を受けるってことはみんな知ってるだろ。俺は何からも逃げない。だって、結局のところこれは俺の運命だからだ。もしハードな試合をくぐり抜けて世界タイトルを取ることが運命なら、俺はそうする。それがボクシングってものなんだ」
「ファイターたちが、一番高いギャラをもらうために楽な試合ばかりしてるのを見るのはもううんざりだ。結局のところ、金の問題じゃない。ボクシングファンに“本当に見たい試合”を届けることだ。金を払ってるのはファンなんだから……戦いに行こう。ファンが見たいのは俺たちが戦う姿なんだ。そして最強の男が勝てばいい」
28歳のベナビデスは、34歳のヤードとの12回戦でドラフトキングスのオッズにおいて10-1の有力と見られている。
『The Ring』誌は、ベナビデスをビボルの王座における第2位の挑戦者にランクしている。ヤードはトップ10で4位につけており、ベテルビエフ、ベナビデス、そしてもう一人の英国人カラム・スミス(31勝2敗、22KO)に次ぐ位置だ。ベナビデスは当初、
11月22日に対戦するのはヤードではなくスミスになると考えていたが、ヤード陣営がトゥルキ・アル・シェイクのオファーを受け入れた。DAZNでは、元4団体統一ライト級王者
デビン・ヘイニー(32勝0敗、15KO、1NC)がWBOウェルター級王者
ブライアン・ノーマン・ジュニア(28勝0敗、22KO、1NC)に挑戦する注目のセミファイナルに続き、ベナビデス対ヤード戦がライブ配信される予定だ。
Keith Idec は『ザ・リング』誌のシニアライター兼コラムニストである。Xでは@idecboxingで連絡を取ることができる。