テレンス・クロフォードが引退を決断したことは、どこか違和感を覚える出来事である。
ネブラスカ州オマハ出身のクロフォードは、9月13日に行われたサウル・
カネロ・アルバレスとのスーパーミドル級での勝利でも、全盛期と変わらぬ出来を見せる。それでも、4団体時代で史上初となる男子3階級完全統一王者となった後、
リングから身を引くことを発表する。その理由は何か。一つは単純で、年齢である。
「自分は38歳だ。38歳はボクシングでは高齢だ。自分は7歳の頃からボクシングをしてきた」とクロフォードは、人気オンライン配信者のアディン・ロスに語る。
クロフォード(42勝0敗、31KO)は、
ミドル級への挑戦も検討する。一方で、アルバレス陣営は最優先事項、そして唯一の選択肢として、クロフォードとの再戦を挙げる。
しかし最終的に、クロフォードは満ち足りているようだ。トロフィーケースはすでに所狭しと並び、長年にわたって戦績が批判の的となってきた現実を踏まえれば、誰に勝とうとも正当な評価は得られないと考える。
「もう証明するものは何もない」とクロフォードは語る。「成し遂げるべきこともない。これ以上、何ができるというのか。どうせ評価はされないのだから、正直なところ、もう関係ない」。