ルイス・クロッカーは、空位となっていたIBF世界ウェルター級王座を獲得し、今後エキサイティングで実入りの良い未来が待っている。

土曜夜、クロッカー（22勝0敗, 11KO）はパディ・ドノバンとの緊張感あふれる再戦を制し、スプリットデシジョンで勝利した。

試合前には周囲からほぼノーチャンスと見られていたが、ベルファスト出身の男は日曜の朝、世界王者として、そしてウェルター級の大きな存在として目を覚ました。

「最高の気分だ。本当に夢見心地で、信じられない」と、祝宴が一段落した後、クロッカーのマネージャーであるジェイミー・コンランは「ザ・リング・マガジン」に語った。

「なんという舞台、なんという夜だったか。彼はすべてを変え、必要とされていたパフォーマンスを見事に出してみせた」

論議を呼んだ初戦では公式にはクロッカーが勝利したものの、28歳の彼は試合を通して主導権を握ることができなかった。

スコアカードでは劣勢に立たされ、ドノバンが８ラウンド終了のゴング後に強打を放ち失格処分となった時には、クロッカーはダメージを負い激しい攻撃に晒されていた。

再戦での形勢逆転はほとんど望み薄と見られていたが、クロッカーとトレーナーのビリー・ネルソンは外部の声に耳を貸さず、自身の強みを最大限に生かしつつ、ドノバンの特徴と癖を突く見事なゲームプランを静かに練り上げた。

衝撃的な逆転劇だった。

「間違いなくそうだ。試合そのものだけじゃなく、その過程すべてがそうだった」とコンランは語った。

「彼は巻き込まれなかった。最初の試合では明らかに話題作りがあって、おそらく彼にとって初めて、やり合いに引き込まれ、地元の観客に煽られて力みすぎたんだ。だから前回は少し飲まれてしまったと思う」

「今回はインタビューにも応じず、本当に静かで落ち着いていて、とにかく頭を低くしていた。その姿はまるで『この男は試合に乗り気じゃないのでは』と思わせるほどだった。実際に『大丈夫なのか？　本当にリングに現れるのか？』といったメッセージが俺のところに届いていた」

「だが、それが彼のスタイルだった。静かに自信を持っていて、俺たちチームも内心は静かに自信を抱いていた。全員が『よし、これなら勝てる』という気持ちだった」

その落ち着きのまま、クロッカーはリングに上がった。

早く強打を狙って無理に振るうことも、ガードを固めてドノバンを追い回すこともせず、クロッカーは一歩引いて構え、リムリック出身の相手に先手を取らせた。そしてクロッカーは力強く、確信を持ってパンチを放った。鋭い左フックでドノバンを２度倒し、その被弾の重さがドノバンに無理な踏み込みをためらわせた。

５ラウンド目のダウンのほうがはるかに重かったが、３ラウンドでキャンバスから立ち上がった直後にドノバンの顔に一瞬浮かんだ困惑の表情こそが決定的だった。

そこにあったのは、彼が予想していた試合とも、対戦相手とも、シナリオともまったく異なる光景だった。

「俺たちが繰り返し言っていたのはこうだ。『お前はもうパディ・ドノバンが何を持っているか分かっている。だがあの試合は本当のお前を示したものじゃないから、奴はお前の実力を知らない』」とコンランは語った。

「俺たちは常に大きな自信を持っていた。」

「相手陣営はルイスが何を持っているかを本当に理解していなかったが、ルイスはすでに相手のパワーやペース、ポジショニングや距離感を体感していた。どこが強みで、どこが弱点かも把握していたんだ」

2025年の大半をドノバンとの因縁に費やしたクロッカーだが、ここからは未来を見据えることができる。

彼が最も力を発揮するのは、アクティブに試合を重ね、キャンプからキャンプへと途切れなく転がっていく時だ。長い勝利ツアーに消えてしまうのではなく、自らが掴んだチャンスの大きさを理解しているように見える。

「彼の立派なところは、今朝一番に俺に電話をかけてきたことだ」とコンランは語った。「言葉を発する前から笑っていて、ずっと笑いっぱなしだった。とにかく笑って、クスクスしていたよ。」

「そして彼はこう言ったんだ。『ジムに戻らなきゃ。とにかくジムにい続ける必要がある』と」

「彼は『これは一度きりのチャンスだから最大限に生かさなきゃならない』と言っている。これから７〜10日間はメディア対応があるが、休暇には行かず、とにかく戻ってきたいと言っている」

クロッカーの次のステップについては、すでに簡単な話し合いが行われている。

試合直後、将来的な対戦相手として真っ先に名前が挙がったのは、やはりコナー・ベンだった。両者の対戦は間違いなくスリリングで激しい一戦となるだろうが、ベンには差し迫った課題がある。11月15日、彼はクリス・ユーバンク・ジュニアとのミドル級再戦に臨む。

コンランにはクロッカーの次の一手を描く少しの時間がある。ベン戦は大きな話題性と収益を生む選択肢だが、ジャロン・エニスがウェルター級を離れ、154ポンドでさらなる栄光を追う決断を下したことで、この階級には新たなチャンスが広がっている。

クロッカーは腰を据えてベン対ユーバンクの決着を見届け、その１週間後にサウジアラビアで開催される「Ring IV」興行でWBO王者ブライアン・ノーマン・ジュニアがデヴィン・ヘイニーと対戦する様子を確認することができる。そして、自身が147ポンド級の行方に大きな影響力を持つという確信を胸に、次を見据えることになる。

魅力的で刺激的な選択肢は数多くあるものの、コンランの当面の狙いはクロッカーに自発的防衛戦を用意し、来春か夏にビッグネームを狙う前に勢いを維持することだ。

「次は再びSSEアリーナでの自主防衛になると思う。モメンタムを高く保ちたい」と語った。

「知名度を高め、チャンスを広げ、ファイターとして成長していくことだ。世界王者になった選手がそこから落ちていくのは滅多に見ない。彼らはさらに良くなり、自信を深め、自分を信じるようになる」

「もし自主防衛のチャンスを得られるなら理想的だ。その後にベンとのビッグマッチや、知名度のある相手との一戦、あるいは他団体王者との統一戦を狙っていきたい」

「WBC王者マリオ・バリオスとの統一戦はぜひ実現したい。爆発的な試合になるし、彼の持ち味を存分に発揮できる舞台になる。ファンにとって楽しめるエキサイティングな試合になり、彼の名を一気に広めることになるだろうし、最高の見栄えをするはずだ」