ブライアン・ノーマンが
ジャロン・エニスとの対決が避けられない運命だと感じていたときでさえ、歴史的な視点が彼にWBCウェルター級王座への強い執着を抱かせた。
The Ring/IBF/WBA王者のエニスが
ウェルター級からスーパーウェルター級への転向を視野に入れている今、ノーマンのWBO王座に加えてWBC王座を手に入れたいという意欲はさらに強まっている。無敗のノーマンは、今週木曜夜に東京で行われる日本の佐々木尽との防衛戦に完全に集中している。
「正直に言うと、本当に一番やりたいのはその試合なんだ。理由はただ一つ、WBCのベルトが懸かってるから」とノーマンは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「もしパッキャオがそれを獲ったら、さらに最高だよ。だって彼はこの競技のレジェンドだからね。WBCのベルトこそが、俺の一番の目標なんだ。」
サンアントニオ出身のマリオ・バリオス(29勝2敗1分、18KO)は、来月ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで開催されるプレミア・ボクシング・チャンピオンズのPPVメインイベントで、フィリピンの
マニー・パッキャオ(62勝8敗2分、39KO)に対して、ほとんどのブックメーカーで4対1の本命とされている。
46歳のパッキャオは、バリオス戦で約4年ぶりのリング復帰を果たす。彼は2021年8月、ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、負傷したエロール・スペンス・ジュニアの代役として出場したヨルデニス・ウガスに判定で敗れて以来、フィリピンでの政治活動に専念してきた。
ノーマンはパッキャオの復帰を予想していなかった。しかし、国際ボクシング殿堂入りを果たしたばかりのレジェンドが、これほどの年齢であってもリングに戻ってくる理由については理解している。
「すごく驚いたよ」とノーマンは語った。「46歳だしね。でも、あの競争心を完全に抑えて生きていくのは、本当に難しいってことはよく分かってる。数年前には“ワンタイム”ことキース・サーマンを倒してるんだから、きっと本人も『まだ少しは残ってるはずだ』って思ってるんだろうね。気持ちは理解できる。でも、もし俺にそのチャンスが来たら、敬意を持って、彼にオスカー・デ・ラ・ホーヤ戦のときみたいな終わり方をさせてもらうよ。」
パッキャオは、6階級制覇王者オスカー・デ・ラ・ホーヤの輝かしいキャリア最後の試合となった一戦で、デ・ラ・ホーヤを一方的に打ちのめした。
デ・ラ・ホーヤは、身長とリーチのアドバンテージ、そしてウェルター級での実績から本命視されていた。しかし、ライト級から階級を上げて挑んだパッキャオは、その予想を覆す圧倒的なパフォーマンスを見せ、“ゴールデンボーイ”を一方的に攻め続け、2008年12月にMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われた試合で8ラウンド終了時にデ・ラ・ホーヤが戦意を失い、試合を放棄するという衝撃的な結末を迎えた。
24歳のノーマンは、パッキャオの年齢のほぼ半分にすぎない。それでも、サウスポーのパッキャオがバリオスを破ったとしても驚かないという。
「マニー・パッキャオはマニー・パッキャオだよ」とノーマンは語った。「何が起きてもおかしくないさ。」
慎重な姿勢を崩さないノーマン(27勝0敗、21KO、1無効試合)は、今回の佐々木(19勝1敗1分、17KO)との試合にも同様のアプローチで臨んでいる。ジョージア州コンヤーズ出身のノーマンはオッズ上では5対1の本命とされているが、3月29日にラスベガスのフォンテーヌブローで第3ラウンドTKO勝ちを収めた
前戦の相手、プエルトリコのデリック・クエバス(27勝2敗1分、19KO)よりも、佐々木のほうが遥かに危険な存在だと見ている。ノーマン対佐々木の試合は、アメリカ東部時間午前7時15分頃(イギリス時間午後12時15分)より、大田区総合体育館からESPN+でライブ配信される予定。アンダーカードの配信は東部時間午前4時(イギリス時間午前9時)に開始される。
Keith Idec は「ザ・リング・マガジン」の上級記者兼コラムニスト。X(旧Twitter)の
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