デビン・ヘイニーは、ブライアン・ノーマン・ジュニアとの舌戦の中でよく笑っているが、実際にはWBOウェルター級王者として応戦も怠っていない。ただし、
ノーマンは「試合になれば笑いは消える」と断言している。
「お前の頭をぶっ飛ばす時が来た」と、ノーマン(28勝無敗、22KO)は『ザ・リング』のインタビューでヘイニーについて語った。
ノーマンがここまで気合いを入れているのには理由がある。
11月22日、サウジアラビア・リヤドのANBアリーナで、ノーマンは自身のWBO世界ウェルター級タイトルの3度目の防衛戦に臨む。挑戦者は、ライト級とスーパーライト級で世界王座を獲得してきたデビン・ヘイニー。今回は階級を上げてのウェルター級デビュー戦となる。
Confidence is one thing, arrogance is something else. From Norman's perspective, Haney (32-0, 15 KOs) has a lot of the latter.
挑発されたり、ペースを乱されたりしても、ブライアン・ノーマンの相手にとってはうまくいかないことがほとんどだ。特に直近3試合ではそれが顕著だった。
2024年5月に対戦したジョバニ・サンティリャンは、何が起きたのか分からないまま試合を終えることとなった。33歳のサンティリャンは現在、
再戦を目指して復帰の道を模索しているが、第10ラウンドでのダメージの大きいストップ負けは、いまでもハイライト映像で繰り返し取り上げられている。
その後まもなく、挑戦者である
デリエック・クエバス(27勝2敗1分、19KO)と
佐々木尽(19勝2敗1分、17KO)も、それぞれ3月と6月にノックアウト負けを喫し、いずれも早い回でリングを後にすることとなった。
このところ好調な戦績を残しているノーマンだが、ヘイニーは彼の内容に必ずしも感心しているわけではない。
というのも、
2024年5月2日にニューヨーク・タイムズスクエアで行われた試合で、元スーパーライト級統一王者ホセ・ラミレスがヘイニーにほとんど有効打を当てられなかったことから、ヘイニー(26歳)は「階級が上でも、自分のディフェンスは通用する」と確信しているからだ。ノーマンが強打者であることは認めつつも、自らの防御力には自信を持っている。
ノーマンには、ヘイニーのような傲慢さはない――少なくともそれを表に出すことは滅多にない。アトランタ出身の彼は、カメラやマイクの前で一日中自画自賛するようなタイプではなく、それよりも「相手を倒して黙らせる」ことを好む。
「俺は“B-ノーム・ザ・ストーム”。相手を吹き飛ばす嵐だ」とノーマンは笑いながら語った。「それが俺ってやつさ。」