モーゼス・イタウマは、すでに4団体統一ヘビー級王者
オレクサンドル・ウシクの後継者と目されている。しかし20歳のサウスポーを指導するベン・デイビソンは、イタウマにはヘビー級の頂点だけでなく、ボクシング全体を支配する資質が備わっていると信じている。
ここ数年、ウシク、
井上尚弥、
テレンス・クロフォードが“世界最強PFP”の称号を巡る非公式な三つ巴を演じてきた。
日々イタウマを間近で見ているデイビソンは、彼こそ英国初の「PFPナンバーワン」を名乗れる存在になれると確信している。
「この国から世界PFP最強のボクサーが出たことはないと思う。だが、そのチャンスがいまある」とデイビソンはtalkSPORTに語った。
「ヘビー級でPFP最強と呼ばれた者はいない。今はウシクを巡って少し話が出ているくらいだ。だが、英国人のヘビー級がPFP最強になる可能性を秘めている――それがモーゼス・イタウマなんだ」
一方のウシクは、7月に
ダニエル・デュボアのIBF王座を奪い取って以降は沈黙を守っている。5回TKO勝利でウシクは2度目のヘビー級4団体統一王者となった。
その数々のベルトがどうなろうとも、38歳のウクライナ人ウシクは、自身が引退を決断するか、誰かに敗れるまで“統一王者”として認められ続けるだろう。偉業を積み重ねてきた彼には、次のビッグチャンスを待つ権利があるが、ボクシング界――とりわけヘビー級――は動き続けなければならない。
イタウマ(13戦13勝11KO)はすでに主要団体ランキングで、WBO1位、WBA2位、IBF5位、WBC11位に位置している。
12月13日、マンチェスターのCo-op Liveアリーナで開催されるイベントで、モーゼス・イタウマが復帰することがわかっている。対戦相手は未定だが、トップ10ランカーとの対戦が噂されており、タイトル挑戦に一歩近づく重要な一戦となりそうだ。
ベン・デイビソンは慎重策を取ることもできる。つまり、ウシクが階級を去るのを待ち、その後に空位となった王座や挑戦可能な強豪たちにイタウマをぶつける方法だ。だが、デイビソンはイタウマの能力に絶対の自信を持っており、もしウシク戦のチャンスが訪れれば、そのリングで王座を奪えると確信している。
「“ウシクにはこの試合がふさわしい”とか“あの相手と戦うべきだ”とか、いろいろ言われているが、俺はそうは思わない」とデイビソン。
「いま現在、オレクサンドル・ウシクを倒せる可能性が最も高いのは、モーゼス・イタウマ以外にいない。これは俺の本心だ」