ライトヘビー級は、名前を挙げるだけで頭がくらくらするほどの豪華な顔ぶれをそろえる。
デビッド・ベナビデス、アルツール・ベテルビエフ、
ドミトリー・ビボル、
デビッド・モレル、
カラム・スミス……まだ他にも多くいる。要するに、ここに挙げた選手たち、そして名前を出していない数人も含めて、この階級を支配できる力を持っている。
WBC会長マウリシオ・スライマンは、この階級で誰が最強かは断言できないとしながらも、自身の考える“最高のカード”については明言した。
「それがライトヘビー級で最高の試合になる」──スライマンは『
ザ・リング』に対し、ベナビデス対ビボルをそう評した。
残念ながら、スライマン会長やこの対戦を望むボクシングファンにとって、このカードがすぐに実現することはない。ビボルには
ベナビデスとのWBC王座防衛戦が義務づけられていたが、彼はそれよりも
ベテルビエフとの三度目の対戦実現に集中することを優先した。
その結果、ビボルは王座を返上し、暫定王者だったベナビデスが正式王者へと昇格。さらにビボルは長年抱えてきた背中の問題で手術を受け、2025年の計画を縮小せざるを得ないと明かした。
一方のベナビデスは、11月22日にサウジアラビア・リヤドで開催される「リングIV」のメインイベントで、2度の挑戦経験を持つ
アンソニー・ヤード(27勝3敗24KO)を相手に、
リヤドシーズン初登場となる初防衛戦を行う。
ベテルビエフ(21勝1敗20KO)は、ビボルとの再戦を待たされていることへの不満を怪我のニュースが出る前から公言しており、現在は元4団体統一王者として、
ディオン・ニコルソン戦で復帰する予定だ。
両者とも11月にそれぞれの試合を控えているものの、28歳のベナビデスはロシアのスターとの対戦が可能であると認めた。
スライマン会長は口出しやマッチメイクのような役回りを好まないが、ベナビデスに関してはあらゆる選択肢にオープンな姿勢を示している。
常に手の内を明かさない彼は、こうも付け加えた。「ビボルがケガで離脱しているのは残念だが、近い将来どうなるか見ていきたい」