イギリス人コンテンダーのハムザ・シェラーズが、6フィート4インチの体を160ポンドにまで絞っていた頃、エディー・ハーンには「やや繊細」に見えた。
だが現在、シェラーズは168ポンドのスーパーミドル級に階級を上げ、
同級デビュー戦でエドガー・ベルランガと対戦することになっており、ハーンはシェラーズを「生きた伏兵」と見なしている。ブルックリン出身のベルランガは、かつてハーン率いるマッチルーム・ボクシングと契約しており、スーパーミドル級で5年間戦ってきた。
強打者として知られるベルランガは、シェラーズよりも格上の相手と対戦してきた。中でも特筆すべきは、4団体統一王者カネロ・アルバレスとの一方的な判定負けである。それでもハーンは、
7月12日にクイーンズのルイ・アームストロング・スタジアムで行われる『The Ring』誌の次回PPVイベントで、シェラーズがベルランガを試すことになると予想している。
「序盤はハムザにとって非常に危険になると思う」とハーンは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「なぜならベルランガは鋭くて非常に強く打つパンチャーだからだ。自信を持っている時の彼は、打ち合いを厭わないし、その打ち合いでも実際にかなり効果的で速い。ハムザがそういう打ち合いに出てしまい、まるで動揺して固まってしまったような状態になって、無防備に手を出してアゴが上がっているようであれば、彼がダメージを受ける場面も想像できる。
ただし、シェラーズにも序盤に成功のチャンスがあると思う。彼が規律を守れば、彼もパンチ力がある。そして160ポンドではかなり苦しんでいたので、168ポンドの方がはるかに良い状態になるはずだ。だから経験や地元開催などを踏まえれば、試合の本命はエドガーだと思うが、これは本当に五分の戦いである」
ベルランガ(23勝1敗、18KO)は、カネロ・アルバレス(63勝2敗2分、39KO)に敗れて以来、2戦目を迎える。彼は3月15日にフロリダ州オーランドのカリブ・ロイヤルで行われた試合で、同じ
プエルトリコ出身のジョナサン・ゴンザレス=オルティス(20勝1敗1分、16KO)を1ラウンドKOで下している。
ベルランガの次戦では、イングランド出身のシェラーズ(21勝0敗1分、17KO)と対戦する。シェラーズは元WBOミドル級王者アンディ・リーを新たなトレーナーとして迎えており、この顔合わせは因縁の対決でもある。アイルランドのジェイソン・クイグリー(20勝3敗、14KO)は、アンディ・リーの指導のもとベルランガと対戦しており、2023年6月にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン内のシアターで、4度ダウンを喫しつつも12ラウンドを完走して判定負けを喫した。
「エドガーには二面性がある」とハーンは語る。「彼の発言を信じてしまう一方で、実際にリングでの動きを見てみると印象が違う。カネロ戦の後、彼は自らを“スーパースター”と称していた。『名勝負だった、どちらに転んでもおかしくなかった』と……。
彼は非常にタフだったが、ラウンド自体はあまり取れていなかった。彼は話し上手ではあるが、ハムザはアンディ・リーと組んでおり、リーは以前クイグリーを指導してベルランガと戦わせていた。クイグリー戦ではベルランガは多くのラウンドを落としていた……。それでも(シェラーズとリーのコンビは)この試合を望んでいる」
シェラーズは、2024年2月22日にサウジアラビア・リヤドのANBアリーナで行われたWBCミドル級王者カルロス・アダメス(24勝1敗1分、18KO)への12回戦挑戦において、判定で議論を呼ぶスプリットドローに終わった。その試合でシェラーズ(25歳)は序盤に左手を骨折しており、それが自信を削いだ可能性がある。
「彼はあの世界タイトル戦で勝てたかもしれなかった」とハーンは語る。「だが、彼のボクシング内容は良くなかった。そして試合中に手を痛めたことは知っている。ただ、あの試合でもっと自分を信じていたら、実際には勝てたと思う。しかし結果として、引き分けを得られたのはラッキーだった」
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@idecboxingで連絡可能。