ニューヨーク――
ジャーボンテイ・デービスは、今多くのことを抱えている。いや、もしかすると抱えすぎているのかもしれない。
30歳のWBAライト級王者は、3月1日にアマチュア時代のライバルだったラモン・ローチと対戦したが、その夜のブルックリンのバークレイズ・センターでは思い通りに事が運ばなかった。無敗の王者としての戦績は、
物議を醸すマジョリティ・ドローによって傷がついた。
デービス(30勝0敗1分、28KO)は、そのタイトル防衛戦の準備期間中に引退を真剣に考えていたことを明かしていた。再戦は仮に8月16日に予定されていたが、12ラウンドの対戦から4カ月が経ち、「タンク」を取り巻く状況はより深刻なものへと変化している。
7月11日、3階級制覇王者の
デービスはフロリダ州マイアミビーチで逮捕され、元交際相手とのトラブルに端を発する暴行の軽犯罪容疑で起訴されている。裁判は本日、7月29日に予定されている。
ボルチモア出身のデービスの周囲が混乱を極め、将来が不透明なままの中、最近殿堂入りを果たした
マニー・パッキャオが背後に姿を見せている。
46歳のパッキャオは、今月初めにWBCウェルター級王者マリオ・バリオスと対戦し、約4年ぶりの現役復帰を果たしたが、ラスベガスのMGMグランドでの一戦は、これまた議論を呼ぶマジョリティ・ドローに終わった。
すぐに再戦を行って決着をつけるのが理にかなっているものの、パッキャオ(62勝8敗3分、39KO)は最近、ジャーボンテイ・デービスの名前をたびたび口にしている。現WBAライト級王者であるデービスは、年齢的にも若く、フレッシュで、フィリピンの伝説的ファイターが歩んできた激闘の歴史も背負っていないことから、肉体的には圧倒的な優位に立つだろう。
しかし、ティム・ブラッドリーによれば、話はそう単純ではないという。
「もし彼がリングに上がって、完全に集中しきれていなければ、マニー・パッキャオにやられることになる」とティム・ブラッドリーは「ザ・リング・マガジン」に語った。
パッキャオが名前を挙げているのはデービスだけではない。
ロランド・“ローリー”・ロメロや、
長年のライバルであるフロイド・メイウェザーとの再戦の可能性にも言及している。
ブラッドリーは、ウェルター級の挑戦者であるパッキャオがその2人に勝てるかどうかについては言及しなかった。しかし、デービスとの対戦に関しては、かつて自身もパッキャオと3度にわたって拳を交えた2階級制覇王者として、かつてのライバルがそれをやってのけるという強い確信を抱いている。
「言っておくが、俺がイカれてると思う人がいるのは分かってる。でも、あの46歳はいまだに戦える」とブラッドリーは続けた。「デービスが勝つには、本当に集中しなきゃいけない。もしそうでなければ、“タンク”にとって悪い夜になる可能性がある」