ラスベガス —
テレンス・クロフォードは、
カネロ・アルバレスが多くの批評家たちが予想したようなサイズのアドバンテージを持っていないことを理解していた。
土曜夜アレジアント・スタジアムで行われた168ポンド王座戦で、元スーパーミドル級統一王者を相手に自分の方がフィジカルで上回っていたと感じたことは、クロフォードにとって驚きではなかった。
判定勝ちを収めたこの試合でクロフォードがアルバレスを効かせる場面はなかったが、いくつものパンチでアルバレスを後退させ、小柄だと見られていたクロフォードはアルバレスの強打を難なく受け止めた。
37歳のクロフォードが147ポンドのウェルター級リミットを超えて戦ったのはこれまで一度だけだった。その後2階級上げ、
The Ring、IBF、WBA、WBC、WBOのスーパーミドル級王座を懸けてアルバレスに挑んだ。ネブラスカ州オマハ出身の5階級制覇王者は、試合後の記者会見で、
アルバレスがスーパーミドル級で積み上げた実績は自分との試合には関係ないと、以前から警告していたことをあらためて強調した。
アルバレス(63勝3敗2分、39KO)はスーパーミドル級リミットで初黒星(11勝1敗)。19年に及ぶキャリアの中で彼を破ったのは、クロフォード、
フロイド・メイウェザー、ライトヘビー級統一王者
ドミトリー・ビボルの3人だけである。
「自分の方が強かったし、パンチもハードだった。ただそれだけだ」とクロフォードは語った。「俺が階級を上げることにみんな意味を持たせすぎた。でも前にも言ったように、カネロは大きな選手じゃない(身長5フィート7½)。大きな階級で戦っている小柄な選手なんだ。俺と彼はほとんど同じ身長で、むしろ俺の方が少し高い(5フィート8)。リーチも俺の方が長い。
彼の方が体の幅はあるけど、背は少し低い。結局のところ俺たちは同じくらいのサイズなんだ。『カネロはとてつもなく大きい』っていう見方は、ある意味失礼だった。計量で俺を見たときに『実際はほとんど同じだ』と気づいただろう。大きな差なんてなかったんだ。」
ただし大きな差はスキルにあった。アルバレスと同じ167.5ポンドで計量を終えたクロフォード(42勝0敗、31KO)は、試合を通じてサウスポースタンスからスピードに劣るアルバレスを翻弄。ジャッジのティム・チータム(115-113)、マックス・デ・ルカ(115-113)、スティーブ・ワイスフェルド(116-112)がクロフォードを支持し、4階級制覇王者アルバレスに判定勝ちした。
試合開始のゴングが鳴る頃にはオッズはほぼ拮抗していたが、
Netflixで世界配信されたこのメインイベントは、クロフォードにとって危険な試合とみられていた。
アルバレスは強打者であり、2019年11月には175ポンドのタイトル戦で元ライトヘビー級王者セルゲイ・コバレフを11回KOしている。直近8試合はいずれも12ラウンドまでもつれているが、クロフォードはアルバレスをフラットフットの選手と見ており、自分の動きや角度には対応できないと考えていた。
実際に試合はその通りの展開となったが、クロフォードはアルバレスが随所で自分を苦しめたことも認めている。
「簡単な夜だったなんて言わない」とクロフォードは語った。「決して楽ではなかった。ただ、見た目にはそう映っただけだ。確かに簡単ではなかった。彼は間違いなく、俺が対戦してきた相手の中でもトップに入る存在だった。」
Keith Idecはザ・リングのシニアライター兼コラムニスト。Xでは@
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