カネロ・アルバレスは4階級で10年以上にわたり世界王者として君臨し、常に対戦要求を受けることに慣れている。しかし、自ら公に称賛した
テレンス・クロフォードまでがその一員になるとは思っていなかった。
発表以来、クロフォード(41勝無敗、31KO)は「負けるはずがない、負けない」と確信した男のように振る舞っている。勝利すれば、自身は史上トップ5のファイターとして確固たる地位を築くべきだと考えているが、WBC暫定スーパーウェルター級王者
バージル・オルティス・ジュニアは、もしクロフォードが成し遂げれば、個人的にはさらに上位に置くつもりだ。
「そうなるとは思わないけど、もし彼がカネロに勝てば、僕にとっては史上ナンバー1のファイターだ」とオルティスはYouTubeチャンネル『Ring Champs with Ak & Barak』で語った。
アルバレス(63勝2敗2分、39KO)は、試合前のフェイスオフでもクロフォードに一切の恐れを見せていない。彼の実績を尊敬してはいるが、体格差を考えれば特に脅威には感じていない。最近のアルバレスは、そもそも誰のことも恐れていないのだ。
スーパーミドル級4団体統一王者のアルバレスは、直近6試合すべてで危なげなく勝利しており、5月3日にサウジアラビア・リヤドのザ・ヴェニューで行われた
ウィリアム・スカル戦もその一つだった。クロフォードも同様に、ここ数戦で大きな苦戦を強いられることはなかった。
ウェルター級4団体統一王者となるべく
エロール・スペンス・ジュニアを圧倒して破ったクロフォードは、昨年にはスーパーウェルター級に進出し、当時無敗の王者
イスライル・マドリモフを下してWBA王座を獲得した。
もっとも、形式上はスーパーウェルター級王者であるものの、オルティスは彼をその階級の選手とは見ていない。当然ながら、実力が物を言う世界ではあるが、そこまで大きな体重差を背負えば、クロフォードがどうやってその不利を克服するのかオルティスには見当がつかないという。
「クロフォードと彼がやっていることは尊敬する。でも彼は147ポンドから上がってきたばかりだから、俺は彼を147ポンドの選手として扱う。彼はボクシング全体でナンバー1だった選手と戦うために3階級も上げているんだ。たとえトップ10の選手相手でも、そのジャンプはきつい。カネロにはサイズとパワーのアドバンテージがある。
クロフォードはIQ(リング上の頭脳)でやや上回ると思うけど、体重差が勝敗を分ける要因になるはずだ。クロフォードは少し背伸びしすぎたと思う。できないと言っているわけじゃないが、俺はカネロの勝ちに賭ける。でももしクロフォードが勝ったら、彼は俺の史上ナンバー1ファイターになる。」