セルヒイ・ボハチュクは、自身の二度のプロ敗戦のうち二つ目を雪ぐ機会を得られないことを受け入れている。
このウクライナ人スーパーウェルター級コンテンダーは、再び
バージル・オルティスと戦いたいと願っている。しかし、ボハチュクもプロモーターも、その再戦が実現するとは予想していない。
「その可能性はないと感じている。もし彼らが本当に再戦を望んでいたなら、簡単に組めたはずだ。セルヒイはバージルにチャンスを与えた。彼は[WBC]暫定世界王者で、バージルにチャンスを与えたんだ」と、ボハチュクを率いる360プロモーションズのトム・ローフラーは
『ザ・リング・マガジン』に語った。
オルティスは昨年ラスベガスでの試合で、1回と8回にそれぞれダウンを喫しながらも、マジョリティ・デシジョンでボハチュクに勝利した。
ジャッジのマックス・デ・ルカは113-113の引き分けと採点したが、デビッド・サザーランドとスティーブ・ワイスフェルドはオルティスを114-112で支持した。
ローフラーとボハチュクは自分たちが勝ったと信じている。しかし12ラウンド・154ポンドでの試合が2024年で最もエキサイティングで激しい試合の一つであったことには異論はなかった。
「もし彼らが自信を持って勝ったと思っていたなら、あるいは再戦でも勝てると思っていたなら、間違いなく再戦を受けただろう。でもそれで構わない。ボハチュクがどれほど危険な存在かを理解している彼を責めることはできない」とローフラーは語った。
フロリダ州オーランド出身のサウスポーである
ルビンは、実力あるコンテンダーであり、これまで無敗だったヘスス・ラモス(23勝1敗19KO)や
アードレアル・ホームズ(17勝1敗6KO)に連勝している。
しかし、ボハチュクはWBCランキングで2位に位置し、10位のルビンよりも8つ上にいる。奇妙なことに、元リング誌/IBF/WBAウェルター級王者
ジャロン・エニス(34勝0敗30KO1NC)が、ボハチュクに代わってWBCの1位に格上げされた。
エニスは10月11日、地元フィラデルフィアのウェルズ・ファーゴ・センターでアンゴラのウィスマ・リマ(14勝1敗10KO)と対戦し、154ポンド級デビューを果たす予定である。
ローフラーは、WBCランキング不服申し立て委員会に異議を申し立てている。なぜならボハチュクは、2023年12月21日にサウジアラビア・リヤドで行われたWBC挑戦者決定戦でイギリスのイシュマエル・デイビス(13勝2敗6KO)を破り、WBCスーパーウェルター級の指名挑戦者になったにもかかわらず、未だにオルティスの暫定王座やWBC王者セバスチャン・フンドラ(23勝1敗1分15KO)への挑戦の機会を与えられていないからである。
さらに、エニス対リマ戦はWBA挑戦者決定戦でもあり、本来であればエニスはWBC王座戦線から外れるはずだった。
「このことはオルティスがどういう立場にあるかを示していると思う。もしセルヒイに勝ったことに自信があるなら、簡単に再戦を受けただろう。『年間最高試合』候補にもなったのだから、ファンが再戦を望むのは当然だ。試合後、トゥルキ・アル・シェイク閣下は我々に『セルヒイが勝ったと思う』と語った。そしてだからこそ、昨年末のサウジアラビア・リヤド大会にセルヒイが出場したんだ」とローフラーは述べた。
「再戦が実現しなくてもセルヒイのキャリアが台無しになることはない。この階級には他にもビッグネームがたくさんいる。バージル・オルティスがセルヒイ・ボハチュクを避けるのは賢明だと思う。なぜならオルティスがキャリアで唯一喫した二度のダウンは、セルヒイによるものだからだ。でも、もしセルヒイがブランドン・アダムスに勝てば、恐らくボクシング界で最も層の厚いこの階級には他にも数多くのビッグネームが待っている。」
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@
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