ラスベガス――
セバスチャン・フンドラは、2024年3月に行われた
ティム・チューとの壮絶な流血戦について、「勝者が誰かは明白だったはずだ」と感じている。12ラウンドの激闘はスプリット判定でフンドラに軍配が上がり、「タワリング・インフェルノ(炎の巨塔)」の異名を持つ彼が勝者となった。
WBC世界スーパーウェルター級王者のフンドラ(22勝1敗1分、14KO)とチュー(25勝2敗、18KO)は、7月19日にMGMグランドで再戦に臨む。この試合は、46歳の
マニー・パッキャオがWBC世界ウェルター級王者
マリオ・バリオスと対戦する、PBC主催のPrime Video PPV興行のセミメインを飾る。
「チューと再戦できてうれしい。彼は素晴らしいファイターだし、また12ラウンドを一緒に戦えることが楽しみだ」とフンドラは『ザ・リング・マガジン』に語った。「初戦は明確に自分が勝ったと思っているし、それをもう一度証明する必要がある。」と付け加えた。
第1戦では、チューが第2ラウンド終了間際に額に深い裂傷を負い、そこから流血が止まらない状態に。それでもチューは試合を投げず、フンドラにダメージを与える場面も作り、スコアカード上でも惜しいところまで迫っていた。
フンドラはオーストラリアのライバル、ティム・チューとの再戦を強く望んでおり、WBOの指名挑戦者である
ザンダー・ザイアスとの対戦を進めるくらいなら、
WBO王座を剥奪されても構わないと考えていた。
「これがボクシングビジネスってやつさ」とフンドラは語った。
「特に気にはしていない。ザイアスともいずれは戦うことになるだろうし、それでいい。」
フンドラはチューとの激闘以来、
今年3月にコーダル・ブッカーと対戦し、4ラウンドTKOで勝利したのみ。2024年には元ウェルター級統一王者
エロール・スペンスJr.との対戦の話も浮上していたが、結局実現しなかった。
「俺に対戦相手を選ぶ権利なんてない。それはプロモーターの仕事」とフンドラは言う。「昨日まではこの相手、今日は別の誰か。自分はただ練習して、用意された相手と戦うだけさ……前回の試合では、より多くの修正点を加えて、よりクリーンなボクシングを見せられた。今回の試合ではさらに成長した姿を見せたい。」
一方のチューは、フンドラ戦の後にさらに大きな打撃を受けることとなった。2024年10月、バフラム・ムルタザリエフとの一戦で圧倒され、わずか3ラウンドでストップ負けを喫したのだ。“ソウル・テイカー”の異名を持つチューだったが、その後ようやく2025年4月、地元での凱旋試合でアメリカのジョセフ・スペンサーを
4ラウンドでストップし、勝利の列に戻ることができた。「スペンサー戦では良い動きをしていた。自分のボクシングをしっかりやって、素晴らしい内容だった」とフンドラは語った。
「こっちも厳しいトレーニングを積んできたし、素晴らしい試合になると期待している。ただ、この再戦が判定までもつれるとは思っていない。」
Manouk Akopyanは『ザ・リング』誌の主任ライター。X(旧Twitter)およびInstagramでは @ManoukAkopyan をフォロー。