ライアン・ガーナーはキャリア初の12回戦で圧倒的なパフォーマンスを見せ、地元の南海岸でサルバドール・ヒメネスを完封し、ヨーロッパ・スーパーライト級王座を獲得した。
“ザ・ピラニア”ことガーナーは、試合を通して主導権を握り、鋭いコンビネーションを繰り出しながら激しいペースで戦い続けた。この試合はボーンマス・インターナショナル・センターで開催されたクイーンズベリー・プロモーションの興行のメインイベントとして行われ、TNTスポーツで放送された。
判定は3人のジャッジ全員が120-108をつけるユナニマス・デシジョンで、ガーナーの完勝だった。
試合はゴング直後から激しい打ち合いで幕を開けた。両者とも接近戦を選んだが、ガーナーの真価が発揮されたのは距離を取った場面だった。
序盤、ガーナーのジャブが鍵となった。スペイン出身のヒメネス(14勝1敗1分、6KO)が前に出るたびに、ガーナーのジャブが正確に迎え撃った。ガーナーは本気だった。そしてサウサンプトンのファンで埋め尽くされたアリーナは、それに応えるように大歓声を送った。
サウサンプトンのサポーターを背負うガーナー(17勝0敗、8KO)は、2ラウンドで前進の圧力をさらに強め、ヒメネスがそのペースについていけないことが明らかになった。ヒメネスも時折有効打を放ったが、試合の流れを決定づけたのはガーナーの鋭いカウンターだった。
3ラウンド、4ラウンドではガーナーがさらにハイペースで試合を進めた。最初の12分間を終えた時点で彼のパフォーマンスには明らかなエネルギーが満ちており、中間距離からあらゆる種類のパンチを的確に打ち込んでいた。
5ラウンドに入ると、ガーナーのパフォーマンスはさらに磨きがかかり、手数、精度、自信のすべてが際立っていた。序盤よりもワークレートが増し、試合の完全な主導権を握った。
ヒメネスはコーナーで落胆した表情を見せながらも6ラウンドに立ち上がったが、ガーナーの圧倒的な攻撃の前に全く反応できなかった。
試合後半に入ると、ガーナーはボディ攻撃を強化し、ヒメネスにさらにプレッシャーをかけていった。ヒメネスが圧力に屈する兆候も見られたが、決して倒れることはなかった。
ヒメネスは完全に試合を落としていたが、最後まで戦う意志を見せ続けた。ガーナーは8ラウンドでわずかに疲れを見せたが、これは序盤からの持続的なプレッシャーによるものだった。
9ラウンドはややペースが落ちたものの、10ラウンドに入るとガーナーが再び加速し、ヒメネスが試合に戻る望みを完全に断ち切った。右ストレート、左フック、ジャブ、あらゆるパンチがヒメネスに的確にヒットした。
11ラウンド、ヒメネスはわずかな連打を放ったが、ガーナーが試合の完全なコントロールを維持。12ラウンド終了のゴングが鳴ると、ガーナーはジャッジのスコアを聞くまでもなく、勝利を確信して拳を掲げた。
「ライアン・ガーナー、彼は俺たちの誇りだ!」――ファンが大合唱する中、“ザ・ピラニア”は長年追い続けてきた夢を叶えた。
試合後のインタビューでガーナーはこう語った。
「今、俺は二つのベルトを手にした。この現実を受け入れなきゃならないし、これからもっと増やしていくつもりだ。」
「フランク・ウォーレンは、俺がどんな状況でもずっと支えてくれた。その恩に報いることができて嬉しい。トレーナー、妻、母親、そしてずっと応援してくれた人たち全員に感謝したい。」
「ファンの応援は本当に凄かった。これは俺にとって初めての12回戦だった。スパーリングですら12ラウンドをやったことがなかったんだ。でも、ファンが最後まで俺を後押ししてくれた。これはキャリア最高のパフォーマンスのひとつだったと思う。序盤から速いペースを作ったが、相手もとてもタフだった。」
「俺は確実にステップアップしている。最終的な夢は、セント・メリーズ・スタジアム(サウサンプトンの本拠地)で戦うこと。サウサンプトンの全員に感謝したい。」