ライアン・ガルシアは、WBCとの関係を修復する道を見つけたようだ。
昨年7月、ガルシアはソーシャルメディアでのライブ配信中に、黒人に対する人種差別的発言や、イスラム教徒およびユダヤ人に対する侮辱的な発言を繰り返したとして、WBCからあらゆる活動への参加を禁止されていた。
WBC会長マウリシオ・スライマンは昨年夏、ライアン・ガルシアの行動を非難しながら処分を発表し、「我々はあらゆる形の差別を断固として拒絶する。ライアンの精神的および薬物依存の問題に対して、我々が何度も支援を申し出たにもかかわらず、彼がそれを拒否していることを非常に懸念している」と述べた。
しかし、ガルシアは水面下で必要な手続きを進め、WBCが再び彼を受け入れるに至ったようだ。これにより、元ライト級暫定王者のガルシアは、今後再び同団体のタイトル戦への出場および世界ランキングへの復帰が可能となった。
スライマン会長は自身のX(旧Twitter)アカウントで次のように発表した。
「WBC理事会は、ライアン・ガルシアが実施し、正式に記録された改善プロセスを経て成功を収めたことを受け、彼に対する出場停止処分を解除する決議を可決した。WBCはライアン本人だけでなく、その家族、マネジメント、プロモーターとも密に連携してきた。私たちは、彼がリング内外で新たな人生を歩み始めることを信じている。両手を広げて歓迎するとともに、彼が新しい世代の模範となるアンバサダーとして活躍してくれることを期待している。」
スライマン会長の発表は興味深いタイミングで行われた。というのも、「ザ・リング・マガジン」が最近報じたところによれば、ライアン・ガルシアと現WBCウェルター級王者マリオ・バリオスが
現在交渉中だという。
交渉が順調に進めば、両者は2026年第1四半期に世界タイトルマッチで相まみえる可能性がある。ガルシアは負傷からの復帰に向けて準備を進める中、リング外では順調に物事が進んでいるようだが、リング内での状況はむしろ下降気味と言える。
5月2日、ニューヨーク・タイムズスクエアで行われた
ロランド・ロメロ戦では、大方の予想で圧倒的有利と見られていたにもかかわらず、ガルシアは序盤にダウンを喫し、そのまま流れを掴めずに
大差の判定で敗れた。一方のバリオス(29勝2敗2分、18KO)も、ここ最近は決して精彩を欠いている。
ここ2試合でバリオスは連続ドローに終わっている。最初は2024年11月のアベル・ラモス戦、そして2度目は46歳で復帰を果たし、
約4年ぶりにリングに上がった殿堂入り王者マニー・パッキャオとの一戦だった。
これまでガルシアとWBCの関係は必ずしも良好ではなかったが、27歳のコンテンダーは過去を水に流し、初の正規世界タイトル獲得に全力を注ぐ構えだ。
「WBCから正式に出場停止が解除された」とガルシアは自身のX(旧Twitter)アカウントに投稿した。「変わろうと努力してきた自分を認め、この決断を下してくれたWBCに感謝している。あのグリーンとゴールドのベルトを腰に巻き、真のチャンピオンとして戦う準備はできている。」