ロサンゼルス発 — ロランド・ロメロは、ファイターたちに投じられている巨額の報酬がスポーツに悪影響を及ぼし、最近の精彩を欠いた試合内容の一因になっていると考えている。
ロメロ(17勝2敗、13KO)は、5月3日にニューヨーク・タイムズスクエアで開催された『
ザ・リング・マガジン』主催のメインイベントで、ライアン・ガルシアをダウンさせ、判定勝ちを収めたばかりだ。
その前座では、
デビン・ヘイニーとホセ・ラミレスの試合が会場の雰囲気を台無しにし、さらにテオフィモ・ロペスJr.もアーノルド・バルボサJr.に勝利はしたものの、観客を魅了するような内容ではなかった。
翌晩、カネロ・アルバレスとウィリアム・スカルは、合わせてわずか445発のパンチしか放たなかった。これは、CompuBoxが過去40年間にわたり試合データを記録してきた中で、12ラウンド制の試合としては最少記録である。
ロメロは、ガルシアとヘイニーの再戦計画に水を差す形となった。彼によれば、試合中にダウンを喫したガルシアは「生き残るためだけに戦っていた」という。一方、アルバレスはスカルとの試合でリスクを取らず、安全策を取りながら逃げ回る相手に対応し、9月12日のテレンス・クロフォード戦へと駒を進めた。
「これはファイターとして言ってる。お前らはファイターたちに金を払いすぎなんだ」とロメロは、勝利後のラウンドテーブルで『ザ・リング・マガジン』および他メディアに語った。
「そうすると選手たちは試合に力を入れなくなる。特にすでに次の試合が決まってるような状況だと最悪だ。ただ次の給料日まで生き残るために戦ってるだけなんだ。長い間ずっとそうだよ。それがこのスポーツを壊してる。UFCみたいにやるべきなんだ。クソみたいな試合をしたら?“ふざけんな、金なんてやらねぇ”って言えばいいんだよ。
だから今のファイターからハングリーさがなくなってる。チェック(報酬)が保証されてるから、みんな無敗記録を守ろうとするんだ。俺はビッグファイトで2敗してるけど、キャリアが終わったことなんて一度もない。今でもここにいる。誰にも俺は消せない。俺は何度でも戻ってくる。みんなは“もう消えた”と思っても、また戻ってくる。それは俺に根性があるからだ。俺は自分が欲しいものを取りに行く。他の奴らみたいに記録を守るために戦ったりはしない。金が足りないからって理由で戦わないような連中とは違う。俺はベルトとレガシーのために戦う。こいつらは金のためだけに戦ってる。それが悲しいし、このスポーツを破壊してるんだ。」
Manouk Akopyan は『ザ・リング』誌の主任ライター。
X(旧Twitter)およびInstagramでは @ManoukAkopyan をフォロー。