「彼は良い選手だけど……」
それが
リチャードソン・ヒッチンズを評するとき、評論家やファンの口からよく聞こえてくる言い回しだ。
憶測で心を乱されることは普段ないが、
ヒッチンズはそれが理解できないでいる。リアム・パロを倒して世界王者になったにもかかわらず、自分の名前がボクシング界の上位層であまり語られないことに、ニューヨーク出身の彼は困惑している。それでも、最終的には実力のある者が頂点に立つと確信しており、自分こそが最後に残る男だと信じている。
「俺はデビン・ヘイニーよりも強いし、テオフィモよりも強い」とヒッチンズは記者会見で集まった報道陣に語った。「俺が何度も口にするのには理由があるんだ」
舌戦に関して言えば、ヒッチンズはボクシング界屈指の名手だが、ジョージ・カンボソス・ジュニアも決して引けを取らない。
6月14日にマディソン・スクエア・ガーデンの「リトル・ルーム」で対戦する2人は、木曜日に開催された記者会見で顔を合わせた。
ヒッチンズはそれを嫌がってはいるものの、
カンボソス戦での自身のパフォーマンスが、特にヘイニーなど同世代のライバルたちと比較されることは理解している。
もちろんカンボソスは、元ライト級4団体統一王者との2連戦に敗れている。ヒッチンズもボクシング技術とフットワークを備えており、ある程度はヘイニーに似たボクシングスタイルを持っている。
2階級制覇王者と比較されることは本来なら誇るべきことだが、ヒッチンズにとっては侮辱とすら感じられる。
ヒッチンズは、ヘイニーが優れた実績を持つ素晴らしい才能であり、トップ戦線にふさわしい選手であることを認めている。ただ、27歳の彼にとっては、自分はまったく別のレベルにいるという意識があるのだ。
ヒッチンズが必要としているのは、自分がヘイニーやロペス、あるいは他の誰とも同じタイプの選手ではないと証明する機会である。特に圧倒的な内容でのカンボソス戦勝利こそが、自らの真価を示す手段になると信じている。
「俺は
デビン・ヘイニーよりも多くの武器を持っている」とヒッチンズは続けた。「俺はヘイニーよりも優れたファイターだ。多くの連中よりも何段階も上にいるんだ」