北アイルランド・ベルファスト—
パット・ブラウンは、ルイス・クロッカー対パディ・ドノヴァン第2戦の
アンダーカードで、またしても土曜の夜を短時間で片づけた。
それだけに、25歳の彼が試合前に緊張していたと聞かされると意外に感じる。予定8回戦の2回でオースティン・ンナムディを粉砕。2か月前にはルイス・オークフォードを初回で解体しており、マンチェスターの若武者にとってノックアウト勝利のハイライト映像は着々と増えている。
2024年のオリンピアンで、昨年エディ・ハーン率いるマッチルームと契約したブラウンは、体重上限200ポンドのクルーザー級が新たな看板スターを求めるなか、段階的に力を積み上げると語ってきた。
オレクサンドル・ウシクが“華のヘビー級”へ戦場を移してから約5年が経つ。
現行トップを挙げるなら、The Ring王者
ジャイ・オペタイアか、現在は負傷離脱中の
ヒルベルト・ラミレスだろう。英国には、元WBO王者
クリス・ビラム=スミス(22勝2敗13KO)が、過酷なすごろくのようなこの世界で潜在力を最大化する術を若いプロに体現してみせる好例として存在している。
この“すごろく”という表現はハーン自身が用いるものだ。彼は地元で集客力のある選手を有機的に育て、全国各地で起用していく中で、この状況に明らかに胸を躍らせているという。レオ・アタン、アダム・マカ、そして——「パット・ブラウンも忘れるな」と、木曜に行われた記者との円卓で続けた。
「パット・ブラウンは本物のファイターだ。マンチェスターに巨大なファンベースがあり、英国王座戦まであと1、2試合という位置にいる。俺は彼にアロイスと戦わせたい。信じられないほど良い試合になる。彼がプロ3戦目だというのは分かっているが(今は4戦目だ)、アマで傑出した選手だった。ジョン・ヘッジズとの試合も面白い。イングリッシュ・タイトルを懸けるか、英国王座の挑戦者決定戦になるだろう。
「パットについて言えば、人々が熱狂する若いヘビー級はたくさんいるが、彼はすでに全員とスパーしている。いずれヘビー級へ上がる。まずはクルーザー級のベルトをかっさらってから、その上へ行く」
WBA世界4位のコンテンダー、アロイス・ジュニア(11勝1敗9KO)は世界的にも高く評価され、国内ライバルの間でも大きな話題をさらっている。ただ、元タイトル挑戦者エリス・ゾロに対する10回判定勝ちは、彼がまだ頂点に到達していないことの証左でもあった。
シェイヴォン・クラーク(10勝2敗7KO)は昨冬モンテカルロで無敗神話を剥がされ、名伯楽バージル・ハンターを新トレーナーに迎えた今も勝ちの流れを取り戻せていない。一方、ヴィダル・ライリーには依然として評価保留の空気が漂う。とはいえ、
緻密な戦いぶりでロンズデール・ベルトをクラークから奪い取ったのは事実で、クリス・ユーバンクJr対コナー・ベンのアンダーカードで力を証明した。
ハーンは、アロイスに加えて同じプロモーションのジョン・ヘッジズ(11勝0敗3KO)を、そう遠くない将来にブラウン陣営が検討すべき相手として名指しした。だが、その話を試合後に本人へぶつけると、彼は無理な前倒しを戒めるように端的に言った。時間は味方だ、と。
「アマからプロへの移行は順調だ。小さなグローブに慣れないといけないし、防御も同じ。グローブで受け止めても、かすれば衝撃は伝わる。少し受け流す必要がある。そういう意味で防御は少し変化した」と、選手で騒がしいホテルで
ザ・リングに語る。
「左手が低いって言われていたけど、常に主導権は握っていた。本当に危険が迫ればすぐに手を上げるし、どこで安全に戦えるかも分かっていた。」
将来の計画に関して、25歳の彼は2026年も同じリズムを望んでいる。
「11月末か12月頭にもう1試合、その後はクリスマスと正月はオフ。それから2026年はさらに5試合をこなすつもりだ。」
先ほどのハーンの発言について、そして自分の上にいる面々のレベルをどう見ているかと問われると、彼は明確に答えた——自分だけに集中している、と。
「俺はまだ25歳で、時間は味方。アマの頃も同じだ。周りは急がせようとしたが、俺はいつも自分のペースを守ってきた。プロ転向も急げと言われたが、今も同じ。誰にも急かされない。時が来れば自分とチームで分かる。俺はまだ4ラウンドさえ越えていないんだ……」と、地に足の着いた声音で言葉を濁した。
彼のチームへの批判や詮索は、レベルが上がるにつれて強まるだろう。というのも、ライト級の新鋭キャメロン・ヴォン(9勝0敗4KO)と、いまや世界レベルのウェルター級ジャック・キャテラル(31勝2敗13KO)が、ここ数か月で相次いでチームを離れているからだ。
「彼らの実績を見れば分かる」とブラウンは続ける。「彼らのもとには複数のチャンピオンがいて、経験豊富なコーチだ。キャテラルが去ったからといって、ジムの価値が下がるわけじゃない。人はすぐ批判するが、ジャックが離れたのは彼らが悪いコーチだからじゃなく、本人の事情だ。トップコーチだし、世界最高だ。俺は正しい場所にいる。」
「二人とは長い付き合いだ。ナイジェルはアマ時代から俺と歩んでくれた。全員マンチェスターの人間で、関係は抜群だ。」
ブラウンにとって、ンナムディ級の相手から得られるものは多くない。得るのは、自分のパンチ力に対する士気の高まりくらいだ。
だが、マンチェスターでナイジェル・トラヴィスとジェイミー・ムーアの下、舞台裏で練り上げている仕事こそが、ハーンに「クルーザー級を総ざらいしてから、いずれヘビー級へ」と言わしめる根拠になっている。
ブラウンは前日計量で204.5ポンドと、やや重めの体つきでアイルランド拠点のナイジェリア人相手に臨んだ。ハーンの豪胆な宣言が現実味を帯びるまでには、まだやるべきことが多いのも確かだ。とはいえ、同世代のオリンピアンが世界を驚かせ切れていないこのタイミングで、プロモーターがブラウンにロケットを背負わせて売り出しているのは正しい。すべては時が来れば、だ。