今年のジュニアミドル級で最も注目される一戦が、土曜夜にテキサス州フォートワースで開催される
バージル・オルティス・ジュニア対
エリクソン・ルビン戦だ。
その試合をリングサイドで観戦する予定なのが、ジャロン“ブーツ”エニス(35戦35勝31KO1無効試合)と、彼のプロモーターであるマッチルーム・ボクシングのエディ・ハーンである。
しかし、オルティスのプロモーターであるオスカー・デ・ラ・ホーヤは、エニスがディッキーズ・アリーナでその実力を目の当たりにした瞬間、気が引けてしまうのではないかと懸念している。
「エディとブーツが誰が154ポンド最強なのかを見に来てくれるのは歓迎だ」とデ・ラ・ホーヤは木曜に記者団へ語る。「バージルの試合を見れば、常にスリリングな戦いを体験できる。彼らがこの試合を観戦してくれるのはうれしい。でも、正直言うとブーツが彼を生で見たとき、試合から逃げたくなるんじゃないかと心配している。『次はバージルとはやりたくない。もう1試合調整戦をしたい』ってエディに言うかもしれない。でも、ブーツは覚悟しておくべきだ。バージルは全てを出し切ってくる。」
「俺たちはこの試合を1000パーセント望んでいる。だが、まずバージル・オルティスが勝たなければ話は始まらない。土曜の試合で勝てば、その直後から交渉を始めるつもりだ。」
両者は本来2月に対戦予定だったが、エニスがウェルター級(147ポンド)での実施を主張し、すでにその階級を離れていたオルティス側と合意に至らなかった。
その結果、両者は別々の道を歩むことになった。オルティスは当初エニス戦のために確保していた日程で
イスラエル・マドリモフと対戦し、テレンス・クロフォードがウズベキスタン人王者相手に見せた内容を上回る圧巻のパフォーマンスで、判定勝利を収めた。
ルビンとの試合で、オルティスがリマ戦のエニスよりも厳しい戦いを強いられるのは間違いない。
「ルビンは楽に勝てる相手じゃない。危険な試合だ」とオスカー・デ・ラ・ホーヤは語る。「この試合はキャリアを作るか、壊すかのどちらかになる。ルビンは誰も戦いたがらなかった相手なんだ。バージルは彼を甘く見ていないし、まずは目の前の仕事に集中している。」
「バージルはいま、スーパースターになる瀬戸際にいる。彼は、チャンスを待つ実力者がひしめく層の厚い階級で“主役”になれる存在だ。今、鍵を握っているのはバージルだ。ルビンに勝てば、彼は154ポンド最強の地位を確固たるものにできる。ルビンを倒せば、ビッグファイトへの扉が開き、真のスーパースターへの道が見えてくる。だからこそ、土曜の試合には絶対に勝たなければならない。」
Manouk Akopyanは『ザ・リング』誌の主任ライター。Xおよびインスタグラムで@ManoukAkopyanをフォローできる。