ロンドン(イングランド)――今回の試合は比較的短い準備期間で決定したものの、今週末に行われる
ジョセフ・パーカー対ファビオ・ワードリー戦に向けたプロモーションの過程には、すでにどこか倦怠感が漂っている。
統一王者オレクサンドル・ウシクが背中の負傷からの回復に努め、来年その勝者を待つという状況によるものか、あるいは物足りないアンダーカードによるものかは定かでないが、
DAZN PPV独占で行われる今週土曜のO2アリーナ大会は、ここ数年のイベントほどの盛り上がりを見せていない。
昨夏、ロンドン南東部で開催された興行では、デレク・チゾラが衰えの見えるジョー・ジョイスに対し、執念の10ラウンド判定勝ちを収めメインを飾った。だがその夜の主役を奪ったのは、当時9戦無敗だったヘビー級有望株
モーゼス・イタウマであり、マリウス・ワックを第2ラウンドで爆発的なストップに追い込んだ試合だった。
20歳のイタウマはその後も3連勝を飾り、いずれの試合も第2ラウンドを越えることなく終わらせている。その爆発的な勢いは、礼儀正しい30代の実力者たちには真似できない電流のような魅力を放っている。
イタウマのジムメイトである
ファビオ・ワードリー(19勝0敗1分、18KO)は、負けが許されない大一番が目前に迫っていることを理解している。しかし9月1日以来一貫して語っているように、彼の異色のバックグラウンドこそが自身の強みになると信じている。
「タフな展開になり、ライトが眩しく輝く舞台ほど、自分のベストな姿が出る」とワードリーは木曜の記者会見で語った。「O2アリーナはもう一つのホームのような場所だ。観客の後押しという“もう一人の味方”を背に、これまで誰も見たことのない自分のボクシングを見せる。」
「自分のような経歴を持つ人間がここまでたどり着くことは滅多にない。自分は他のボクサーたちと同じ“学校”で育ってきたわけじゃない。いろんなところから刺激を受け、自分なりに変化し、流れに乗ってきた。だからこそ違うんだ。常に柔軟に対応していく。」
元WBO王者の
ジョセフ・パーカー(36勝3敗、24KO)は、今回チーム・ワードリーの自信満々な態度に付き合う気はなかった。
「彼をリスペクトしているが、俺は別のレベルにいる。それをリングで見せる」と語った。
具体的にどうやって? クイーンズベリーの司会者デヴ・サーニにそう問い詰められた。
「見ていろ、言葉じゃなくて行動で示す」と元世界王者は付け加えた。「今がちょうど全盛期に差し掛かっているところだ。今このタイミングで挑むのは相手にとって時期尚早だ、俺がぶっ潰すから。奴は自分を信じているが、俺が勝つ。敗けることがあっても構わないと奴は学ぶだろうし、立ち直る時間は十分にある。次が誰だとか気にしてない、まずは土曜に集中するだけだ。」
痛烈な一言だった。
ワードリーのマネージャーであるマイケル・オフォは、「宝くじを買う必要なんてない。今週末の試合こそ、これまで10年間積み上げてきた努力のすべてを示すものになる」と強調した。
「パーカーの弱点は、俺たちだけでなく世界中が見ている。ファビオは常にチームとしての限界に挑み続けてきた。これは“やるかやられるか”の精神で臨む試合だ。彼はスピードもパワーもあり、若さもある。ワードリーは見事な形でパーカーをストップするだろう。自信の欠片もないわけじゃない、これはただ物語の一部にすぎないんだ。」
「ご意見どうも」とパーカーが言い返した。
厳しいフェイスオフが示す通り、両者は互いの実力を認め合ってはいるものの、言葉の応酬はもう十分といった様子だった。ウシクはリングサイドで観戦する予定であり、
2026年初頭に待ち受ける栄誉を思い起こさせる存在となるだろう。
土曜の夜が待ちきれない。