5月、元スーパーライト級4団体統一王者の
ジョシュ・テイラーが、地元スコットランドに凱旋し、その輝かしいキャリアに幕を下ろすこととなる最終戦に臨んだ。情熱的な観衆の前で、テイラーは
エコー・エッスマンに運動量と勢いで圧倒され、
判定で敗れた。
そのアンダーカードでは、ベアズデン出身のネイサニエル・コリンズ(17勝無敗、8KO)が、
元英・欧州バンタム級王者リー・マクレガーとのスコットランド人同士によるフェザー級対決で、4回TKO勝利を収める見事なパフォーマンスを披露した。
先週、テイラーは長年悩まされてきた眼の持病により、
現役引退を決断したことを発表。
今、スコットランド・ボクシング界は新たな旗手を求めており、元英連邦フェザー級王者の
コリンズは、テイラーの後継者としての資質を証明する機会を手にしている。
10月4日、28歳のサウスポーであるコリンズは、スペインの欧州フェザー級王者クリストバル・ロレンテ(20勝無敗2分、8KO)と、グラスゴーのブレーヘッド・アリーナで対戦する。このイベントは
DAZNで世界配信される予定だ。
コリンズはWBC世界ランキング2位、ロレンテは同12位に位置しており、この試合は世界タイトル戦線にも大きな影響を与える。
「僕が影響を受けたのはリッキー・バーンズだった」とコリンズは
『ザ・リング・マガジン』に語っている。「彼はずっとSSEアリーナのメインを張っていて、今でもスコットランドでボクシングを知っている人なら誰でも名前を知っている存在だ。
それは僕にとって大きなインスピレーションなんだ。もし僕がその役割を引き継いで、スコットランドで満員の会場でメインを張る存在になれたら、それは本当に素晴らしいことだ。僕の夢は、もっと多くの人にスコットランドのボクシングを知ってもらうことだから。」
「うまくいくことを願うよ。本当に。ジョシュのことはすごく残念だ。彼も大きなインスピレーションだったし、やるべきことはすべてやり遂げた。
残念な結果になったとはいえ、ジョシュが最後の試合をスコットランドで行う機会を得られたのは本当に良かったと思う。僕にとっては自己中心的かもしれないけど、そのおかげで自分自身のための舞台が自然と整ったとも感じている。」
コリンズとロレンテには共通の対戦相手がいる。
コリンズはかつて、鼻の骨を激しく折りながらもイタリアのフランチェスコ・グランデッリに判定勝ちを収めており、その直後に緊急手術を受けることになった。
その7か月後、復調中のコリンズを尻目に、ロレンテも同じグランデッリを相手に防衛戦を行い、判定で勝利を収めている。
グランデッリ戦の勝利に加え、コリンズは英国国内レベルでもすでに何度も実力を証明してきた。
ジェイコブ・ロビンソン、ジェームズ・ビーチ、現英連邦王者ザック・ミラー、そしてリー・マクレガーに勝利した経験は、どれもヨーロッパレベル、さらにはその先へ進むために必要な「人間力を問われる試合」だった。
コリンズは、その土台がロレンテ戦でも大きな力になると信じている。
「唯一の疑問は、彼がこれまでどれほどのレベルの相手と戦ってきたかだ」と彼は語る。
「彼もグランデッリとは戦ってるし、マウロ・フォルテともやってる。でも正直言って、スペインやイタリア圏内の選手とばかりで、有名な名前とはほとんどやってないんだよね。
それに、8勝無敗の選手(ルーベン・ヒル)との試合で引き分けたけど、あの試合はその無敗の選手が勝っていたと多くの人が言ってる。
どうなるかは分からないけど、僕はいつも通り、12ラウンドしっかり戦う準備をするだけ。もしそれより早く終われるなら、それに越したことはない。」
コリンズは、反応の鋭さとタイミングの良さが持ち味のスマートなカウンターパンチャーである。しかし、トップレベルでは、相手に攻撃をためらわせるほどのパワーも必要だ。コリンズは、それが自分にも備わっていることを証明してきた。
クイーンズベリーでの初陣では、開始24秒でラザ・ハムザを右フック一閃でKOしてみせた。
また、マクレガー戦では、短く鋭い左を完璧なタイミングで打ち込み、無駄なパンチを一切使わずに勝負を決めている。
今回は、スペイン人相手に約4インチ(約10cm)の身長差を背負って戦うことになるが、過去に両者は対戦の噂があったこともあり、コリンズはすでにいくつかの攻略ポイントを見出している。
「彼はこれまで自分が見てきた試合と同じようなアプローチで来ると思っている」とコリンズは語る。
「前に出てくるタイプで、かなりアグレッシブに戦う印象がある。背は高いが、それでも打ち合いを望んでいるように見える。今回も同じように戦ってくれることを期待しているよ。」
「彼には他の戦い方ができるスキルセットがないと思う。僕の見立てでは、試合中ずっと、あるいは終わるその瞬間まで、彼は僕の強打に突っ込んでくることになるだろう。」