グラスゴー(スコットランド)――世界王座挑戦への足掛かりを狙うスコットランド人同士のフェザー級対決は、ナサニエル・コリンズが混沌とした立ち上がりを制し、リー・マクレガーを
4ラウンドでTKOで下してWBCシルバー王座を獲得する結果となった。
試合が決したのは第4ラウンド、時間は1分45秒。
マクレガーの足元がふらつき、ネガティブなボディランゲージを見せたのを見たセコンドがタオルを投入。同時にマーク・ライソン主審も試合をストップした。
無敗のコリンズ(17勝0敗8KO)は、怪我と重病に苦しんだ過酷な1年を経て復帰を果たした。リングウォークは長く、リー・マクレガー(15勝2敗1分11KO)を待たせる形になったが、その間コリンズは会場の雰囲気をしっかりと味わっていた。このような大舞台に再び立てるかどうか、自分でも深く考えさせられる時間を過ごしていたという。
第1ラウンドは慎重な立ち上がりとなったが、第2ラウンド終盤にはマクレガーが強烈な右フックをヒットさせ、コリンズをロープ際に追い込む場面もあり、会場の声援もマクレガーに傾いた。
第3ラウンドは互角の攻防となり、コリンズはアッパーカットを軸に応戦。第4ラウンド前半には元IBF世界フライ級王者サニー・エドワーズの声が飛び交う中、試合の流れが一気に変わった。
その約20秒後、会場の空気が一変。コリンズの攻勢によりマクレガーは2度のダウンを喫し、場内には酸素タンクが準備されるなど緊迫した雰囲気に。コリンズはボディにも強烈なパンチを叩き込み、完全に試合を掌握した。
「1年前の2日後、俺は病院のベッドに横たわっていて、もうボクシングができないかもしれないと思っていた。まさかこの場所で人生最高のパフォーマンスを見せられるなんて、当時の自分なら笑っていただろう。言葉にできない。俺は世界クラスのボクサーで、パンチ力もあるんだ」と、試合後にクイーンズベリーのデヴ・サーニに語った。
「アメリカだろうがリヤドだろうが、WBC世界王者のスティーブン・フルトンに対しても同じことをしてやる」と、強気な発言で締めくくった。
さらなる分析記事は追って掲載予定である。