二度の世界タイトル挑戦経験を持つ
マイケル・コンランは、見事に隠した連打から放った必中の右で
ジャック・ベイツンをキャンバスに沈め、再びレガシーを高める大一番とより大きなチャンスへの道を切り開く。
1ラウンド前に右フックでリーズ出身のベイツンを倒していたコンランは、ダブリンの3アリーナを熱狂させる入場に続き、目的意識に満ちたパフォーマンスを披露。キャリア継続の理由を示し、批評家を黙らせた。こうした夜のために。
6カ月前、
ブライトンでアサド・アシフ・カーンに判定で辛勝した際には、身体能力やディフェンス面への疑問が投げかけられた。しかし今回、英国ボクシングが誇るスペクタクルな夜にふさわしい戦いをする力を証明してみせた。
元イングランド・ジュニアフェザー級王者ジャック・ベイツン(20勝2敗1分、6KO)は世界を制する存在ではないが、
かつてのスパーリング仲間との大一番の意味を十分に理解していた。華やかさこそ欠けるが信頼できる試金石を、マイケル・コンラン(20勝3敗、10KO)は堂々とクリアしてみせた。
2度目のダウンで足首を痛めたベイツンは立ち上がったものの体重をかけられず、レフェリーが試合を止めた。プロ8年目のコンランは、グラント・スミス主任トレーナーと涙の抱擁を交わし、激動の数分間を締めくくった。
試合序盤はオーソドックスで構えたが、その後はサウスポーとの切り替えを繰り返しながら距離を測り、レンジでリズムをつかもうとしたコンラン。ボディを狙い、若い相手のカウンターを封じる戦術がハマり、試合のテンポを支配しては一気にコンビネーションやアッパーを爆発させる構図を作った。
その狙いは的中し、3ラウンドには10-8を奪取。続くラウンドで見事なフィニッシュにつなげた。
次は?選択肢は開かれている
試合後には子どもたちと抱き合い、ファンの声援に感謝を示したコンラン。地元ダブリンでの興行が大きな成功となったことを強調し、英国の地上波チャンネル5(米国ではTriller配信)で放送されたインタビューでは自信に満ちた様子を見せた。
「10年ぶりにダブリンで戦うのは本当に特別だ。とても誇らしい。観客を見てくれ、まだ残って歌っている。みんなありがとう」
「チャンネル5がこの光景を見てくれたのは嬉しい。彼らもこの雰囲気や盛り上がりを求めるはずだ。この大会のプロモーションは正直そこまでうまくなかったし、もっと良くできたと思う。今週だけで2000人からチケットを求められたけど、全部完売だ。アイルランドのファンは本当にすごいよ。
キャンプで取り組んできたことを、グラントが自分を家族の一員のように迎えてくれて、名匠として指導してくれたおかげで全部出せた。オレは戻ってきたし、もう準備はできている。」
プロモーターのカレ・サワーランドは、今後のコンランの行き先について問われると、
リー・ウッドとの再戦、
ジョシュ・ウォーリントン戦、さらにはWBCルートを探る中でランキングタイトルを制した
ナサニエル・コリンズの名まで挙げ、複数の可能性を示した。
「選択肢はたくさんあるけど、今夜はまずこの瞬間を楽しもう。彼は人生をかけてここまでやってきた。ジャックは戦いに来たが、止められるはずがなかった。コンランは今週ずっと沈んでいて静かだったのに、今は声を張り上げている。まさにプロフェッショナルだ。またゴールドを懸けてやる日が待ちきれないよ」