多くの人が予想したより時間はかかったが、
ジャック・ベイツンにとって大きな瞬間がついに訪れる。
31歳のリーズ出身ベイツンは、
9月5日にダブリンの3アリーナで行われる
マイケル・コンランとの10回戦で、フェザー級戦線上位に割って入るチャンスを得る。
アイルランドの英雄コンラン(19勝3敗9KO)は、この試合を3度目の世界タイトル挑戦への足掛かりにしたいと考えているが、ベイツンは最高の勝利を挙げなければ、最高峰で戦い続ける望みが絶たれることを理解している。
ベイツンは2017年のプロ転向時に将来のスター候補と目されたが、2022年11月、IBOスーパーバンタム級王者
シャバズ・マスードに最終ラウンドでTKO負けを喫し、キャリア唯一の敗戦を経験。その後、大きな試合やチャンスを得るのは難しく、不遇な扱いを受けてきた。
元イングランド122ポンド級王者のベイツンは、このようなチャンスを待ち続けてきた。
「この話が出てから6、7カ月になる」とベイツンは
『ザ・リング』に語る。
「最初は彼が望んでいないと聞き、その後はヨーロッパ王座路線に行くと聞いたが、話が浮上してきたから興奮している。大きなチャンスであり、全力でつかまなければならない。
ジョシュ(・ワーリントン)と戦うかもしれないと聞き始めたときは、この話は立ち消えだと思っていた。それからはチャンスを探しながら、ただ待っていた。
ジムには通っていた。誤解しないでほしいが、ずっとハードに練習してきた。完璧なタイミングで来たし、自分にとっていい試合になると感じている」
ベイツンとコンランは、10代の頃にお互いの存在を知った。
2013年の過酷なヨーロッパ・アマチュア選手権でコンランがフライ級銀メダルを獲得した際、ベイツンはライトフライ級で銅メダルを獲得し、チームGBの一員として出場した。その年の後半には、カザフスタンでのアマチュア世界選手権にもそろって出場している。
エリートアマとして世界を転戦した日々から多くの時間が経ったが、プロとしてスパーリング経験もあり、9月5日のゴングが鳴れば、互いに何を期待できるかは分かっている。
「俺たちは二人とも長くこの世界にいる」とベイツンは言う。「一緒にスパーしたこともあるが、スパーはスパーだ。良いボクシングの試合になると思うし、打ち合いにもなるかもしれない。マイケルはボクシングもできるし、戦いもできる。
俺もできると思うし、その夜は自分の方が上回れると信じている。この試合のプレッシャーは彼の方が大きい。俺にはプレッシャーはない」
コンランは33歳で、次に負ければキャリアが終わると公言している。多くの人が期待した高みに届かなかったとはいえ、その名前には依然として重みがあり、試合は常に注目を集める。
ベイツン(20勝1敗1分6KO)はコンランより2歳若く、このスポーツから去るつもりは全くない。
彼はコンランがベストな状態で来ると予想しているが、この試合と舞台は自分が広く世間に名を知らしめる絶好の機会になると信じている。
「彼はまだこの世界を愛していて、何かを成し遂げたいと思っている。でももう力は残っていないと思う。とはいえ、口で言うだけじゃ意味がない。試合の夜にやるべきことをやり、最高のマイケル・コンランに備えるだけだ。
自分がしっかり仕上げて臨めば勝てるし、ベストのコンランを想定して準備する。それが俺にできる全てだ。あとは試合で全力を尽くし、それが十分であることを願うだけだ」