カネロ・アルバレスは、
テレンス・クロフォードに
番狂わせの判定負けを喫したあと、自身のキャリアをどう進めるか慎重に考えなければならない。
今月初めの敗北でスーパーミドル級の“王者”ではなくなったアルバレスだが、それでも『ザ・リング』誌の同級1位にランクされている。彼の後ろには、
オスレイス・イグレシアス、
クリスチャン・ムビリ、
レスター・マルティネス、
ディエゴ・パチェコ、
アルマンド・レセンディス、
ハムザ・シーラズといった名前が続く。
もしアルバレス(63勝3敗2分、39KO)が168ポンドにとどまるなら、ムビリとシーラズは、メキシコのスターが今年初めに契約したリヤド・シーズンの残り2試合を消化するうえで最も商品価値の高い対戦相手となるだろう。
クロフォード戦の前座で、
マルティネスと壮絶な殴り合いを演じて10回引き分けに終わったカナダ在住のムビリにとって、35歳のアルバレスの対戦候補リストに入っていることはまさに朗報だ。
「カネロのようなビッグネームと戦えるのは光栄だ」ムビリは『ザ・リング』に語った。
「カネロと戦えたら本当にうれしい。今のカネロはとても年を取っていて、5年前や10年前のカネロではないと思う。でもそれは当然のことだ。15歳からプロとして戦っているわけだからね。それでも彼は危険な存在で、優れたファイターだ。今でもこの階級のトップ3に入る実力者で、とても優秀なボクサーだ。チャンスがもらえるかどうかは分からないが、もし実現すれば、自分のリストにとって大きな名前になる」
ムビリ(29勝0敗1分、24KO)はWBCスーパーミドル級の暫定王者であり、同団体はすでにマルティネス(19勝0敗1分、16KO)との再戦を命じている。
一方、クロフォード(42勝0敗、31KO)は同級の王座を完全に掌握しており、引退も視野に入れている。この状況はムビリにとって、砂時計の砂が落ち切る前にアルバレスとのビッグマネーファイトに集中する理由をさらに強めている。
「カネロは年を取ってきている。自分にとって戦うにはいい時期だと思う」30歳のムビリは笑みを浮かべながら言った。
「やろうじゃないか。見ていこう。当然、自分は大きなショーを披露する。勝つためにリングに上がる。これは大きな戦争になるだろう。彼が自分のプレッシャーとパンチに耐えられるかどうか分からない。自分は大量のパンチを、強いエネルギーとともに放つ。彼がそれに耐えられるか分からない。でも勝てるチャンスは十分にあると思う」
クロフォード戦の敗北後、アルバレスは「自分の身体が言うことをきかなかった」と認め、さらに「クロフォードのスタイルのすべてが厄介だった」と打ち明けた。
Manouk Akopyanは「ザ・リング・マガジン」の主任ライター。XとInstagram(@ManoukAkopyan)がフォローできる。