格闘技史上最も商業的に成功した一戦が、テレビで回顧される。
VICE TVの新番組『The Grudge(ザ・グラッジ)』では、フロイド・メイウェザー・ジュニアとマニー・パッキャオのライバル関係に焦点を当てた30分の特集エピソードが放送される。放送時間は米東部時間の水曜日午後10時(日本時間木曜午前11時)である。(
こちらからストリーミングおよび再放送の情報は確認可能)
国際ボクシング殿堂入りのアナウンサーであるアル・バーンスタインと、ボクシング記者の(ラジオ)ラヒーム・デイビスが、「世紀の一戦」と称された試合の実現に至る経緯とその後の反響について、番組内でコメントを寄せている。このエピソードのナレーションは、元NFLラインバッカーのウィル・コンプトンが務めている。
「メイウェザー対パッキャオの物語は、ボクシングファンだけでなく、世界中の人々の注目を集めた象徴的なライバル関係だ」と、VICEメディアのコンテンツ開発マネージャーであり番組のエグゼクティブプロデューサーを務めるシェーン・エルターは『ザ・リング・マガジン』に語った。
「まったく異なる環境で育ち、人生観もまったく異なる2人の否定しようのないボクシングレジェンドの物語だ。『The Grudge』で取り上げるハイステークスなスポーツライバルの中でも、エゴとドラマが渦巻いたこの対決は迷うことなく選ばれた。私たちは、この歴史的なボクシングマッチのプロモーションを燃え上がらせた熱狂的な行動や態度、そして激しく火花を散らした両スターの試合そのものを再体験した。」
VICE TVの社長であるピート・ガフニーは『ザ・リング・マガジン』に対し、ボクシングや格闘技関連の魅力あるコンテンツを番組編成に取り入れ続けていく方針を語った。
「VICE TVでは初のライブスポーツシリーズとして、BKBベアナックル・ボクシングの放送に取り組んでおり、今年はさらに9大会をプライムタイムで放送予定だ」とガフニーは述べた。「VICEはこれまでも格闘技領域で真に迫る挑戦的なスポーツコンテンツを提供してきた。プロレスドキュメンタリー『Dark Side of the Ring』は第6シーズンに入り、今年1月にはそのMMA版『Dark Side of the Cage』も開始。そして今月にはUnited Fight Leagueとの提携により、ケーブルテレビでの独占放送も決まっている。」
メイウェザー対パッキャオ戦は、2015年5月2日、ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで、16,219人のセレブリティを含む満員の観客を前に開催された。この試合は実現までに5年遅れたものの、興行面では圧倒的な成功を収めた。チケット売上は72,198,500ドルに達し、1件100ドルのペイ・パー・ビューは460万件を記録、総収益は6億ドルを超えた。収益の配分はメイウェザーが60%、パッキャオが40%とされた。
ただし、この一戦は過大な期待には応えきれず、試合内容に失望したファンも多かった。38歳のメイウェザーが116-112、116-112、118-110の判定で堅実な試合運びの末に勝利。ヒット数はメイウェザー148発、パッキャオ81発。試合後、パッキャオは負傷した肩を抱えていたと主張したが、事前報告がなかったため詐欺行為として集団訴訟に発展した。
メイウェザーはその後、UFCスターのコナー・マクレガーとの一戦を含む最後の興行を終え、2017年に50戦無敗で現役を引退。
一方、
フィリピンの英雄で8階級制覇王者であるパッキャオ(46歳)は、
今年7月19日、4年ぶりの現役復帰戦としてマリオ・バリオスとの試合に挑む予定であり、その6週間前には国際ボクシング殿堂入りを果たすことになっている。
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任ライターである。
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