イングランド・マンチェスター発 — クイーンズベリー・マッチルーム主催の『5対5』イベント第2弾の計画は
棚上げとなったかもしれないが、英国のボクシングファンが、かつてのようにクロスプロモーションの対決が互いのYouTubeインタビューでのやり取りに終始する時代への逆戻りを覚悟する必要はない。
むしろ、最高の試合を実現しようという共通の意欲はこれまで以上に強まっているようだ。
「まったく理由はない」とマッチルーム・ボクシングのCEO、フランク・スミスは『5対5』イベントが開催されないことについて
「ザ・リング・マガジン」に語った。
「いつも通り、ショーに関するさまざまな議論があり、これから何が起こるか、どの試合が最も理にかなっているかを話し合っている。『5対5』は確かに理想的なプランだったが、現在は他の機会に向けて取り組んでいるところだ。」
「良いことに、クロスプロモーションの試合は実現している。次の次の週末には
ジャスティス・フニがファビオ・ウォードリーと素晴らしい試合を行う。重要なのは良い試合を作ることで、過去にはそれが十分にできていなかったかもしれない。」
『5対5』のコンセプトは、長年にわたりボクシングの政治的事情で国内の重要な試合が消えゆくのを見てきた英国のボクシングファンの心を強く惹きつけた。
サウジアラビアの劇的な参入は、各プロモーション間の冷え切った関係を解消し、クイーンズベリーとマッチルームというボクシング界の二大勢力が互いのトップファイターをぶつけ合うという構想は完全に氷を溶かした。
クイーンズベリーがイベントを支配したが、このアイデアの人気はボクシング界の風景を永続的に変えた。
第2回イベントの計画は一時棚上げとなったが、幸いにも英国ボクシングは暗黒時代に逆戻りしていない。
すでにいくつかの大規模なクロスプロモーション対決が合意されているが、それらは一つの大型カードにまとめられるのではなく、年後半にかけて複数のイベントでヘッドラインとして組まれる見込みだ。
「100%、それは常にDAZNからの強い要望でもあった」と、
ジャック・キャタラルとハーレム・ユーバンクのウェルター級戦の発表記者会見で語ったスミスは述べた。
「彼らは最高の試合を作りたいと思っており、それがパートナー間のクロスプロモーション対決を意味するなら、それを実現するつもりだ。過去にもゴールデンボーイと協力してそうしてきたし、これからも続けていく。」
「最高の試合を実現するために、プロモーションパートナーと協力することは常にオープンだ。」
来週末に急きょ組まれたクイーンズベリーのファビオ・ウォードリーと、マッチルームの強力なオーストラリア代表オリンピアン、ジャスティス・フニによるヘビー級戦は、かつてのプロモーション冷戦の最盛期には絶対に実現しなかった試合だ。
クイーンズベリーのアンソニー・ヤードとマッチルームのカラム・スミスによるライトヘビー級対決は引き続き協議中で、7月5日に予定されているキャタラル対ユーバンクの試合はマッチルームとワッサーマンによる共同プロモーションによるものだ。
ヘビー級ボクシングはそのリーチと魅力においてほぼ別のスポーツといえるほど独自の地位を築いているが、英国のファイターが現在その華やかな階級を席巻している一方で、より軽い階級では数多くの著名な選手たちがキャリアの終盤に差し掛かっており、次世代の若手ファイターの発掘と興行の活性化が急務となっている。
スターを生み出す最良の方法は、注目度の高いカードで意味のある対戦を組むことだ。多ければ多いほどいい。
「最近、素晴らしい若手選手たちと契約できたと思っている」とスミスは語った。
「個人的にはここ数年、良い試合を作れていなかったと思う。優れた選手が調整試合や活動維持のための試合をしているだけで、それは市場の競争が一因でもあった。」と語った。
「新しい勢力が大量の資金を持ち込んで、『聞いたこともない相手と戦って、その方がずっと稼げる』と言い出すと、『じゃあ、なんで厳しい試練を受けなきゃいけないんだ?』となる。でも、それは実際にはスポーツの長期的な発展にはプラスにならない。」
「しかしそれを人に説明するのは難しい。なぜなら、『誰も知らない相手との楽な試合で金をもらえるんだ』と言うからだ。」
「それは理解しているつもりだが、スポーツの長期的な展望や、自分自身が長く関わっていくこと、観客動員や盛り上げを築くことを考えなければならないと思う。」
「だからこそ、こうした試合(キャタラル対ユーバンク)を組む必要がある。難しい話ではない。ファンが納得し、支持する試合を作らなければならないが、長い間それができていなかったと思う。」