ヘビー級戦線で新たな話題となっているのが
モーゼス・イタウマだ。強く、速く、頭の切れる彼は驚異的なパワーを持っているが、同時にまだ若い。
イタウマ(12勝0敗、10KO)は現在20歳。その風格は本物だが、彼の陣営によれば、見た目だけでなく中身も伴っているという。そして先週末、その証明をしてみせた。
マイク・バログンは世界を席巻するような選手ではないが、豊富な経験を持つタフなジャーニーマンだ。しかし、
イタウマと対峙したとき、彼は圧倒され、あっけなく倒された。バログンの屍がリングに横たわる中、イタウマ陣営のメンバーはマーティン・バコレの名をターゲット候補として挙げ始めた。31歳のコンテンダーであるバコレは、好戦的であり、イタウマに名前を出されたことをありがたく思っているという。ただし、彼はこうも述べている──若者が自分と戦うには、まだ経験が足りず、もっと重みが必要だと。
「彼はいい選手で、ボクシングの技術もある」とバコレは認める。「彼には素晴らしい未来が待っている。ただし、俺の名前を出すのはやめた方がいい。俺は怪物だ。将来は明るいんだから、今はゆっくり進んでほしい。今の彼にはマーティン・バコレのことは忘れてもらわないと。俺の名前を出すには、あと4~5試合は必要だ」
イタウマ陣営は急速に階段を駆け上がっているように見える。若きヘビー級コンテンダー本人とそのチームだけでなく、主要団体も彼の準備が整っていると見ている。IBFで7位、WBAで3位、
そして最も重要なのはWBOで1位にランクされていることだ。皮肉なことに、バコレはそれらの団体でイタウマほど高くは評価されていない。
バコレ(21勝2敗1分、16KO)はやや微妙な立ち位置にある。2024年にジャレッド・アンダーソンをKOで下し注目を集めたが、続くジョセフ・パーカー戦では早い回で敗れ、最近の
エフェ・アジャグバ戦では引き分けに終わり、評価を落としている。
結果自体は芳しくないが、かつては得られなかったヘビー級戦線での存在感を手にしたことで、バコレは感謝の気持ちを抱いている。
「今こうして名前を挙げてもらえるのは幸運だ。以前は誰も俺の名前を口にしなかったからな」