ローレンス・オコリーは、今週末に予定されているナイジェリアでのボクシング・デビューを受け入れるよう説得したのが、ラゴス生まれの母エリザベスだったことを明かした。
32歳のオコリーは、日曜日にラゴスのオニカン・スタジアムで、バルモラル・グループ主催興行のメインイベントとしてエベネザー・テッテーと対戦する。この興行は
DAZNでライブ配信される。しかし、ナイジェリアの首都での試合案が浮上した時点で、母親が他の試合を選ぶことを許すはずがなかった。
「最初は正直、五分五分だった」とオコリーは『
ザ・リング』に語る。「
デレク・チゾラがメインを務める予定だったイングランドの興行もあって、そちらも検討していた。
「でも、ナイジェリアでの話を選んだのは、母が『やらなきゃダメ、絶対にやるべき』と強く言ってきたからだ。だから、いつも通りのルートではなく、そっちを選んだ。結果的にうまくいったし、母は大喜びしている」。
オコリーは、バルモラルと先進的な代表者エゼキエル・アダムが主催した直近の興行で、リングサイド観戦をしていた。その夜、10月1日(水)に行われた興行では、ブ
ランドン・グラントンがマーカス・ブラウンを6回終了時に棄権へ追い込み、オコリーは日曜夜に自分を待ち受ける熱狂的な雰囲気を肌で感じ取った。
「10月のあの興行を見に行って、FOMO(取り残される感覚)を感じたんだ」とオコリーは続けた。
「ファンの様子や興行全体を見て、花火も含めて、すべてを生で目にした。その時に『あれ、なんで俺はここにいないんだ?』って思ったんだ。俺はナイジェリア人だし、元世界王者でもある。出番があって当然だろうって。
それに、受け入れられ方もすごかった。ジムに行けば、壁に自分の顔が描かれている。でも、イングランド生まれで育ちもイングランドだから、すべてがイングランド基準になっていて、実はボクシングに熱狂している国が丸ごと一つあることを忘れてしまいがちなんだ。彼らは
アンソニー・ジョシュアも、俺も、
モーゼス・イタウマも、
デビッド・アデレイも知っている。
ナイジェリア系の名前だと分かると、ああやって一気に応援してくれる。だから、ナイジェリアの別の場所で、自分が何をできるのかを見せたいと思った。それでプロモーターに話して、『やろう』と決めたんだ」。
オコリーは、両親エリザベスとローレンス・シニアのもと、ロンドン東部ハックニー区ストーク・ニューイントンで生まれた。両親がロンドンに移り住んで間もない頃のことだった。
地元で学校に通い、後に五輪で英国代表として戦ったが、自身のナイジェリアのルーツに強い誇りを持ち続けており、現在も定期的にラゴスへ戻っている。
「今、そこで試合ができるのは最高だ」と語る。「母のため、父のため、そして自分のルーツのために、授かったボクシングの才能を見せられる。両親が生まれた街に、それを持ち帰れるんだ。
彼らの友人たちは、これまでお祝いのメッセージを送ることしかできなかった。イングランドで活躍している甥や親戚がいる、という話を聞くだけだった。でも今回は、その前で直接見せられる。本当にワクワクしている。
いつも祈りを送ってくれる叔父や叔母たちも、今回は実際に会場に来てくれる。控室に来て、直接祈りを捧げてくれて、幸運を祈ってくれる。そのあと、俺はリングで結果を出すだけだ」。
オコリーは、12カ月前にヘビー級へ転向して以降、一切の失敗をしていない。昨年12月、ウェンブリー・アリーナでフセイン・ムハメドを初回KOで下し、その後、同じエリアにあるスタジアムで行われたケビン・レレナ戦でも10回判定勝ちを収めている。
現在37歳のテッテーは、強打を誇るオコリー相手に長く持たないと見られている。テッテーにとっては、これが3人連続での英国人対戦となる。1年前にはジブラルタルで行われた荒れた試合の末、
ディリアン・ホワイトに7回TKO負けを喫し、さらに4月20日にはバーミンガムで
フレイザー・クラークがわずか112秒で彼を仕留めている。両者はメインイベントを務める。一方、2016年五輪金メダリストの
トニー・ヨカが直前になってカードに追加され、当初出場予定だったアデレイは姿を消した。ヨカ(14勝3敗、11KO)は、ドイツのパトリック・コルテ(23勝5敗1分、19KO)と10回戦で対戦する。
「女性も、男性も、子どもも、とにかくみんなが叫び声を上げているんだ」と、オコリーは予想される雰囲気について付け加える。
「そこには電気のような熱気と誇りがある。サッカーチームを応援する人たちの感覚に近いと思う。自分たちの選手が勝ち進む姿を見ることに、大きな意味を感じているんだ。そのエネルギーを当日に感じるのが、今から待ちきれない」。