ロンドン(イングランド)――
ローレンス・オコリーは、ヘビー級でのキャリア最大の勝利を難なく手にしたが、この試合の内容がヘビー級上位陣に脅威を与えるものだったかと言えば、そうとは言い難い。
ロンドン・ハックニー出身のオコリーは、アクションの少ない10ラウンドを
ケビン・レレナと戦い、ジャッジ2名が100-90、もう1名が99-91と採点し、判定勝利を収めた。この勝利により戦績は22勝1敗(16KO)となり、クイーンズベリー陣営の熾烈なヘビー級戦線の中で依然として存在感を保っている。
一方的なスコアがこの試合の内容を物語っていた。オコリーの身体的アドバンテージがレレナには大きすぎ、突破口を見いだすことはできなかった。ただし、快勝ではあったものの、見どころに欠ける一戦だった。
オコリーは2023年12月、かつて1敗を喫したが明らかに実力差のあったフセイン・ムハメドをウェンブリー・アリーナで初回TKOに沈め、ヘビー級デビューを飾った。そして7カ月後、数ポンド体重を増やし、今度はウェンブリー・スタジアムに舞台を移して、ヘビー級での真価が問われる試合に臨んだ。
サウスポーのレレナは、元クルーザー級およびブリッジャー級の王者でもあり、ヘビー級でもダニエル・デュボアを初回に3度倒した経験を持つ。その後敗れはしたものの、昨年リヤドでジャスティス・フニをあと一歩でKOしそうになる場面もあった。
すでにWBCで1位にランクされているオコリーは、本来であれば2024年4月にリチャード・リアクポールとの一戦が予定されていたが、負傷によりキャンセルとなり、今回の
ウシク対デュボア第2戦のセミファイナルで万全な状態で復帰を果たした。
オコリーは身長・リーチともに大きなアドバンテージがあり、体重も30ポンド以上重かったため、同じ階級の選手とは思えないほどの差があった。初回からジャブでレレナを中間距離〜遠距離に留め、頭部とボディに鋭く打ち込んで試合を支配した。
WBO世界クルーザー級王者時代と比べて、体重が約60ポンド増えているにもかかわらず、オコリーはつま先で軽快に動いていた。一方のレレナは、距離を詰めてカウンターを狙い、特にオーバーハンドの左に狙いを定めていた。
しかし、全体的にアクションの少ない展開となり、オコリーの長く直線的なワンツーは、何度もレレナの鉄壁のガードに真っ直ぐ打ち込まれていた。それでも、この攻撃によって南アフリカ出身のレレナが自身の攻撃態勢を整えることを許さず、オコリーが主導権を握り続けた。第4ラウンド終盤には、レレナが接近戦でいくらかの成果を上げ、これはオコリーにとって注意を促す材料となった。
第6ラウンドは完全にオコリーのペースで、右ストレートの多くをレレナのボディに集中させていたが、ラウンド終盤に強烈な左フックを浴びた。ラウンドを奪うには不十分だったが、レレナの攻撃への意欲が垣間見えた瞬間だった。
セミファイナルは本来、メインイベントへの期待感を高める前菜的な存在だが、今回の一戦はその役割を果たせなかった。第8ラウンドの頃には観客はほぼ満員となっていたが、リング中央での消耗戦は会場の空気を沈ませていた。
第9ラウンドも展開は好転せず、クリンチの最中にオコリーが大画面を見上げて残り時間を確認するような仕草すら見せた。そして第10ラウンド、レレナはリング上で床を指さし、明らかに「打ち合おう」とオコリーに呼びかけたが、オコリーは応じなかった。それでも、判定では文句なしの勝利を収め、ジャッジの目にはオコリーの優勢がはっきりと映っていた。