ブロック・ジャービスは“錆落とし”のための生け贄に過ぎなかった――その目的を果たした今、
キース・サーマンは再びビッグネームとの戦いを望んでいる。
当初、サーマンが最も望んだ相手は
ティム・チューだった。しかし元王者チューが現在のWBC王者
セバスチャン・フンドラとの対戦を決めたため、フロリダ出身のサーマンは別の道を探ることになった。
年齢は重ねているが、3月12日のパフォーマンスを見れば、まだまだ余力があることを証明した。ジュニアミドル級の有力選手たちを見渡す中で、サーマンが特に手合わせを熱望する相手が1人いる。
「“ブーツ”を寄こせ、誰だろうが関係ない」とサーマンはMillCity Boxingに語った。
このニックネームに馴染みのない人のために補足すると、サーマンが言及した「ブーツ」とは、
ジャロン・エニスのことだ。28歳になったばかりのエニスは、何年も前からビッグファイトを熱望してきたが、ようやくそのチャンスをつかみ始めている。
4月12日、アトランティックシティのボードウォーク・ホールでエニス(34勝無敗、30KO)は、
エイマンタス・スタニオニスに
6回TKO勝ちを収め、ウェルター級王座統一に成功した。
その数か月後、
エニスは階級を上げることを発表し、『ザ・リング』誌、IBF、WBAの王座を返上。復帰戦の日程は未定だが、プロモーターのエディ・ハーンによれば、エニスは時間を無駄にしたくないと考えており、早期のタイトル戦を望んでいるという。
エニスに対する期待は当初から大きかったが、スタニオニス戦の勝利によって、その評価はさらに高まった。
スタニオニスは、打たれ強さと粘りで知られるタフなファイターだが、この試合ではまったく通用しなかった。ボクシングファンの間では、エニスこそ次世代のスターだという声が高まり、ハーンの言葉を信じるなら「パウンド・フォー・パウンドのトップ選手になる」ことも時間の問題とされている。
しかし、その熱狂に水を差すように、キース・サーマンは冷笑を浮かべている。サーマンにとって、エニスを称賛する言葉の数々は大げさすぎる。
「スタニオニスに勝っただけで、人生で何か成し遂げたつもりか?あいつは足が止まったまま突っ立ってただけだ。オレがリングに持ち込む熱量のほうが、よっぽど上だってことを思い知らせてやるよ」