ジョー・ギャラガーは、自身の教え子
ローレンス・オコリーがヘビー級で“厄介者(ボギーマン)”になるためのすべてを備えていると信じている。
7月、元WBOクルーザー級王者のローレンス・オコリー(22勝1敗、16KO)は、
ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われた試合で、南アフリカのケビン・ラレーナを10ラウンドにわたって一方的にアウトボクシングした。試合後、オコリーは上腕二頭筋断裂による痛みと制限を抱えながら戦っていたことを明かした。手術を受けた彼は、約3か月を経てトレーニング復帰に近づきつつある。
「まだ完全なゴーサインは出ていないが、順調に回復していて復帰も近い。8回戦か10回戦あたりで一度リングに上がらせたい。そうすれば次に向けて準備万端になるだろう」とギャラガーは
『ザ・リング・マガジン』に語った。
ステージ4のがんという生死を分ける闘病を経て、最近になって完全回復を発表したギャラガーは、現在オコリーとともに約18か月を過ごしている。
このコンビが始動したのは2024年5月。敵地での試合で、当時無敗だったポーランドのWBCブリッジャー級王者ルーカス・ロザンスキーを初回ノックアウトで沈めたのがその始まりだった2015年の『ザ・リング・マガジン年間最優秀トレーナーに選ばれたギャラガーは、その後オコリーを率いてヘビー級デビュー戦に臨ませ、フセイン・モハメドを初回で圧倒して鮮烈な勝利を飾らせた。
上腕二頭筋の断裂は想定外だったものの、ラレーナ戦はギャラガーにとって貴重な10ラウンドとなった。オコリーがセコンドの指示にどう反応するのか、コーナーでどのように立ち回り、困難をどう対処するのかを見極める絶好の機会だったからだ。ギャラガーは今やオコリーの実力を完全に信じるようになった。
「ローレンスのことをいろいろ言うと、みんな怒って俺を批判したり、文句を言ってくるんだ」とギャラガーは語った。
「
ジレイ・チャンや
マーティン・バコレとは誰も戦いたがらないなんて声をよく耳にするが、俺はいつもローレンスに『お前もそう遠くないうちに、この階級の“ボギーマン”になる。誰もお前と戦いたがらなくなるぞ』と言っている。」
ヘビー級4団体統一王者のオレクサンドル・ウシクは現在、
背中の負傷により戦線を離脱している。その間、ウクライナの名王者がこのまま統一王座を維持するために義務試合をこなしていくのか、それとも試合を選びつついずれかのベルトを返上するのかという憶測が高まっている。
ギャラガーとオコリーは、ウシクがWBC王座をどう扱うのかに注目している。現在、ロンドン出身のオコリーはランキング1位に位置し、その上には暫定王者
アギット・カバエル(26戦全勝、18KO)がいる。
Ringヘビー級3位のアギット・カバエルは、アルバニアの無敗コンテンダー、ネルソン・ハンプトンとの試合に
合意間近とみられている。だが、その試合を終え、オコリーが完全復調すれば、ギャラガーはその対戦を歓迎するとしている。
「カバエル戦を要望している。」と彼は語った。
「カバエルは暫定王者としてそこにいて、ローレンスはランキング1位だ。カバエルは年内に試合が決まっているようだが、もしウシクがベルトを返上すれば、ローレンス対カバエルの世界ヘビー級王座決定戦になるだろう。」
「俺はローレンスに言っている。“カバエルがどれだけ強いとか、周りがいろいろ言っても気にするな。黙っていればいい。そうすれば、倒したときに誰も何も言えなくなる”とな。」