階級を問わず、ファイターは
カネロ・アルバレスを名指しで狙い撃ちするのが大好きだ。
ただ、彼が名前を出すたびに、アルバレスは露骨にうんざりした表情を見せる。アルバレスの視点では対戦に合理性がないのだろうが、28歳のポールはそれでも名前を口にし続ける。
9月13日にメキシコ人のアルバレスが
テレンス・クロフォードに番狂わせの判定負けを喫した今でも、ポール(12勝1敗7KO)はなお対戦を望む。
「もちろん、100%だ」P4Pスターとまだ戦いたいかと問われたポールは複数の記者に語る。「それはボクシングで組める最大級の一戦だ。」
現時点で、アルバレスの関心はボクシングから最も遠いところにある。いまは長い休養を楽しみ、日差しを浴びて過ごしている。次の動きはまだ議論になっていないが、35歳の彼は引退の予定がないことをすでに認めている。
一方のポールにとっては、アルバレス(63勝3敗2分、39KO)を常に念頭に置き続けるのは得策でないかもしれない。11月14日、フロリダ州マイアミのカセヤ・センターで、元ユーチューバーからボクサーに転身した彼は、エキシビションで
ジャーボンテイ・デービスと対戦する。
月曜の記者会見で、両者の対戦はキャッチウェイト195ポンド上限で行うと発表する。これはデービスの通常の階級より60ポンド重い設定となる。
フィジカル面ですべてのアドバンテージを持つとはいえ、ポールはデービス(30勝0敗1分28KO)を侮らない。ただし自身はいまキャリア最高のコンディションにあると感じる。
6月28日にフリオ・セサール・チャベス・ジュニアに判定勝ちしたばかりのプロ5年目は、その勝利を弾みに、デービス相手にもう一度“大舞台の夜”へつなげたい考えだ。
すべて計画どおりに進み、目の前の仕事をきっちり片付ければ、今年初めに対戦合意一歩手前まで行った流れもあって、アルバレスの背中に彼が付けた“赤い的”はさらに大きくなる。
「こいつを倒したら、次は間違いなくカネロがリスト入りだ」ポールが語る。