ラモン・ローチは、自分が土曜の試合で
アイザック・クルスを“ボクシングさせた”と確信している。
物議を醸した
多数ドローのあと、ローチは、自分の攻撃的アプローチがクルスをイラつかせ、サンアントニオのフロスト・バンク・センターでは立ち止まって打ち合う戦法が通用しないと悟ったクルスに、戦術変更を強いたと主張する。
メキシコシティ出身のクルスは3ラウンドでローチからキャリア初のダウンを奪ったが、それは倒れないようローチの右手がキャンバスに触れた形で、深刻なダメージは受けていなかった。近距離での攻防では、ローチはクルスの守備の甘さを突きながらクリーンヒットを何度も当てていた。
クルスは、ローチに“ボクシングさせられた”こと自体を否定する。そうしたのは意図的な判断で、自分が単なるプレッシャーファイターではなく、頭が良くて技術のある相手にいなされたり翻弄されたりするだけの存在ではないと証明したかったからだと言う。
「自分のパフォーマンスにはとても満足している」とクルスは試合後会見で言う。「技術が足りないとか、頭が良くないとか言っていた連中を黙らせることができて嬉しい。今夜は全部のチェック項目をクリアしたと思う。」
クリス・テレズ採点ではクルスに115-111で軍配が上がったが、コリー・サントスとネイサン・パーマーは異なる見方をし、互いに113-113のドローとつけた。
レフェリーのジェームス・グリーンは7ラウンド、ローチの背中を叩いたとしてクルスから1点を減点。もしその減点がなければ、クルスがユナニマスで勝っていたことになる。
ローチ(25勝1敗3分、10KO=メリーランド州アッパー・マルボロ)は、
コンピュボックスの非公式パンチスタッツでわずかに上回った。元WBAスーパーフェザー級王者は、パワーパンチで10発多く(142/291 対 132/382)、ジャブでも22発多く(49/176 対 27/162)クリーンヒットを記録した。
ローチはクルス(28勝3敗2分、18KO)より優れたボクサーとして知られているが、今回のPBC PPVメインイベントでは、試合前に宣言した通り「強打者との打ち合い」に応じてみせた。
「ローチの作戦には全く驚かなかった」とクルスは言う。「自分はスマートに戦えて、試合がどんな展開になっても対応できていた。」
またクルスは、「前半にパワーパンチを振り回した疲れが出てボクシングに切り替えた」という見方も一蹴する。
「疲れなんて全く関係ない」とクルスは言う。「アイザック・クルスは原始人じゃないってことを見せただけだ。打つだけの男じゃない。ボクシングを分かっているし、今夜それを証明した。」
Keith Idec は『ザ・リング』のシニアライター兼コラムニスト。Xでは @idecboxing。