ラモント・ローチは、
アイザック・クルス戦に向けて宣言していた通り、危険なスタイルで真っ向勝負を挑んだ。
その結果――3ラウンドのダウンを乗り越え、激しい打ち合いを展開し、観客を沸かせた末に待っていたのは、またしても物議を醸すマジョリティドロー。土曜夜、サンアントニオのフロスト・バンク・センターで、2試合連続の論争判定となった。
クリス・テレズは115-111でクルスを支持したが、ネイサン・パルマーとコーリー・サントスがともに113-113のドローと採点し、結果は覆された。
「欲しいのはフェアな扱いだけだよ」とローチはPBCのブライアン・キャンベルに語る。「接戦だったけど勝ったと思う。これはマジでクソだ。完全に自分の勝ちだと感じていた。」
一方クルスは、レフェリーのジェームズ・グリーンが7ラウンドに「後頭部打ち」で減点を科したことが、僅差ながらユナニマスで勝てる試合を奪ったと主張。
「俺がこの試合に勝った。レフェリーが俺から勝利を奪ったんだ」とクルス。
メキシコシティ出身のクルス(27歳)は、WBC暫定スーパーライト級王座を防衛。
ローチ(30歳)は、3月1日ブルックリンのバークレイズ・センターで、圧倒的不利の評価の中でジャーボンテ・デイビスと戦い、やはり物議を醸したマジョリティドローを記録して以来の試合だった。
デイビスは契約上、即時再戦条項を行使したが、後にジェイク・ポール戦へ方向転換。だがその試合は、デイビスが元恋人から
DV疑惑を受けたことで中止され、再戦は正式発表されないままとなっていた。
2ラウンド中盤、クルスの右がクリーンヒット。その後も左フックから右を続けて当て、アクション満載の2ラウンドとなった。
クルスはゴング直後から予想通りアグレッシブに前へ。距離を詰めて何発かクリーンヒットを奪うが、1ラウンド終盤にはローチのカウンター左をもらい、体勢を崩される場面もあった。
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライター兼コラムニスト。Xでは @idecboxing で連絡が取れる。