ブルース“シュシュ”キャリントンは、わがままでも頑固でもない。ただ純粋にチャンスを望んでいるだけだ。
この28歳のフェザー級ボクサーは、珍しい立場にある。多くの選手は、所属する認定団体でのランキングに応じて進むべき道が限られるが、キャリントンは4団体すべてで高くランクされている。
もちろん、キャリントンには選択肢が豊富にある。当初はスティーブン・フルトンとの対戦を望んでいたが、現在WBC王者であるフルトンは、130ポンド級に階級を上げて
オーシャキー・フォスターと対戦する可能性が高まっているようだ。フルトンが事実上選択肢から外れたことで、キャリントンの関心はニック・ボールに向けられている。両者の間で具体的な交渉はまだ行われていないが、キャリントンにとってボールは主要なターゲットであるようだ。
ボールとの対戦が希望ではあるものの、両者が異なるプロモーターに所属しているため、交渉は難航する可能性がある。一方で、
ラファエル・エスピノサとの対戦は非常に理にかなっている。WBO王者であるエスピノサとキャリントンは同じプロモーションに所属しており、さらにブルックリン出身のキャリントンはそのタイトルの指名挑戦者としてランキング1位につけている。
しかし、両者の対戦は一見簡単に実現しそうに見えるにもかかわらず、キャリントン(15勝0敗9KO)は「エスピノサ陣営に断られた」と主張している。だが、エスピノサ(27勝0敗23KO)本人によれば、キャリントンがすぐにタイトル挑戦を望むのであれば、それに応じる用意があるという。
「もちろん、間違いなく」と、エスピノサは記者ショーン・ジッテルの「次戦でキャリントンと戦う意志はあるか?」という質問に答えた。
自分が次の挑戦者になれるかもしれないという話は、キャリントンにとって朗報のはずだ。ここ数試合、彼は圧倒的な内容で勝利を重ねており、最近ではエンリケ・ビバスを相手に3回KO勝ちを収めている。
その勝利後もキャリントンは冷静で、「もう格下との試合には興味がない」と語り、タイトル挑戦への準備ができていると明言した。
エスピノサは英語を母語としないものの、キャリントンのメッセージは十分に理解している。キャリントンだけでなく、同階級の王者や有力選手たちに対しても、挑戦は歓迎すると語る。
「誰とでも戦う覚悟がある」