4月にコナー・ベンを下した
クリス・ユーバンク・ジュニア(ブライトン出身、36歳)の勝利後、多くの関係者から彼に引退を勧める声が上がったのである。
彼は魂を削るような減量を強いられたにもかかわらず、
最終的に160ポンドの制限体重をクリアできなかった。それに加えて、罰金によって375,000ポンドを失い、ベンとの悪戦苦闘の12ラウンドを戦い抜いた末に勝利を手にしたものの、脱水症状で病院に搬送されたのである。
彼の父であるクリス・ユーバンク・シニアは、ジュニアにはもう十分なのではないかと強く訴えたひとりであった。しかし、今回が初めてではないが、ジュニアは父の助言に耳を貸さなかった。その代わり、彼は即座に
ベンとの再戦へと突き進んだのである。
ユーバンクは、4月26日にベンを下したことで、すでに相手の「手の内を読んでいる」こと、そして自身はこれまでキャリアで再戦に負けたことがないことを主張するだろう。しかし、この再戦には複数の変数が存在しており、それによって今回の対戦は前回以上に興味深いものになっていると言える。
長い間疎遠だった父クリス・シニアが突然会場に姿を現したことで士気を高めたユーバンクは、12ラウンドを通して優勢に試合を進め、3人のジャッジ全員が116-112を支持する形で、ユニナマス判定を獲得した。
オッズ:ユーバンクは全体として「本命」とされているが、差は大きくない。彼は自然なミドル級であり、ライバル関係でも勝ち越しているにもかかわらず、もっと大きな差が付くだろうと予想していた者も多いだろう。最も一般的なオッズは4/6(-150)であるが、ブックメーカーによっては8/11(-137.5)も提示されている。
ユーバンクはどうやって勝つのか?前回と非常によく似た展開になる可能性は十分にある。つまり、互いに激しい攻防を繰り広げながらも、どちらも倒れることなく、大きなダメージも受けないまま終わる展開である。その場合、ユーバンクが再び判定勝利を収める可能性は高い。
しかし今回は、
ブライアン “ボーマック” マクインタイアを再びコーチとして招いている。もちろん、彼らが初めて組んだ試合は、ユーバンクがリアム・スミスをストップした一戦である。スミスはその8か月前にユーバンクをストップしていたが、ボーマックの存在が復讐劇を成功させたと言えるだろう。今回も同様に、ユーバンクが自身の体格差と自然な体重の利点を十分に発揮し、試合後にウェルター級へ戻る予定のベンを圧倒する展開になる可能性はある。
ユーバンクが勝った場合、それは何を意味するのか?まず第一に、ユーバンク家は4度の対戦を通じて「ベン」という名の男に一度も負けていない、という事実が確固たるものとなる。つまり、誇りとプライドは完全に彼らのものとなるのである。
さらに、キャリア終盤に差し掛かるユーバンクが、ビッグファイトを求め続ける上でも大きな意味を持つ。36歳という年齢を考えれば、残された時間は多くない。したがって、彼が狙うのは大舞台のみである。
サウル「カネロ」アルバレスやハムザ・シェラーズといった名前も挙がっているが、もしベンに敗れれば、交渉のテーブルでの立場は著しく弱くなる。逆に勝利すれば、2026年の“スーパーファイト”に向けて存在感を維持し、ラスベガスのアレジアント・スタジアムが彼の「夢の舞台」であるという主張も夢物語ではなくなる。
コメント:「再戦は1勝0敗である。彼はこれまで再戦を経験していない。だからその点での経験値は俺の方が上だ。今回のキャンプでボーマックを呼んだ理由のひとつもそこにある。彼のおかげでリアム・スミスとの再戦に勝てたし、今回もコナー・ベンとの再戦に勝つ助けになると信じている。
試合前からコナーは『自分が勝っていた』『初戦は奪われた』などと言っている。この物語を完全に終わらせる必要がある。俺はこの子を止めて、はっきりと分からせたい。『お前は俺のレベルにない』ということを。12ラウンドまで行かせるつもりはない。」
放映・配信情報:DAZN PPV:アメリカでは59.99ドル(東部時間午前11時45分)。 英国では24.99ポンド(GMT午後4時45分)。
クリス・ユーバンク・ジュニア対コナー・ベン第2戦は、『ザ・リング:未解決の因縁』のメインイベントを飾り、
DAZNのPPVにて東部時間午前11時45分/英国時間午後4時45分からライブ配信される。