プエルトリコで行われた過去唯一の王座統一戦では、地元ファンは失望とともに会場を後にすることになった。2010年、メキシコのジョバニ・セグラが地元の英雄イバン・カルデロンを8回KOで下したからである。
アバス・バラオウは、1月31日にそのセグラの足跡をたどろうとしている。
敵地で戦うことはリスクを伴うが、バラオウの動機はただ一つに集約されている。
「2本目のベルト、それだけで十分なモチベーションだ」とバラオウは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「自分には統一戦が見えているし、チャンスも見えている。そして、その前に立ちはだかる男が一人いるだけだ。それ以外は何も見ていない」
「プエルトリコに行くことは、自分にとって一つの旅のようなものだ。観衆を見るのが楽しみだし、良い場所で、ボクシングを理解している人たちがいる印象を受けている。あの国では統一戦の数も多くない。それは彼らにとって歴史であり、自分もその一部になれることを嬉しく思っている」
バラオウ(17勝1敗、9KO)は、
無敗だったヨエニス・テレスを相手に激闘の末ユナニマス・ディシジョン勝ちを収め、WBA暫定王座を獲得した。ドイツ出身の31歳は、テレンス・クロフォードがサウル「カネロ」アルバレス戦のゴングが鳴った時点で王座を返上したことを受け、9月13日に正規王者へと昇格している。
一方、ザヤス(22勝無敗、13KO)は、7月26日にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン内シアターで
ホルヘ・ガルシアをユナニマス・ディシジョンで下し、当時ボクシング界最年少王者としてWBO王座を獲得した。今回勝利すれば、史上最年少の統一王者となる。
バラオウとザヤスはともにサウスフロリダを拠点にトレーニングを行っており、複数のキャンプでスパーリングを重ねてきた間柄でもある。
「彼は素晴らしいファイターだと思う」とバラオウは語る。「才能があり、技術も高い。自分にとって良い試合になるだろう。この試合は大きな意味を持つし、彼を倒すことで、自分が本当に何ができるのかを世界に示すことになる」
前戦:8月23日、オーランドのカリブ・ロワイヤルでテレスにユナニマス・ディシジョン勝ち。
オッズ:ドラフトキングス・スポーツブックによると、バラオウは+265のオッズで明確なアンダードッグとされている。
バラオウはいかにして勝つのか?バラオウは絶え間ないプレッシャーとボディへの攻撃でテレスを消耗させ、最終的に試合を支配した。もしプエルトリコを統一王者として後にするなら、同様の展開でザヤスを攻略する可能性は十分にある。
バラオウは距離を保つためではなく、内側に入り込むために強いジャブを用いる。インサイドに入ると、フックやアッパーカットで執拗にボディを攻め立てるのが特徴だ。
わずかに身長とリーチで勝るザヤスに対しては、ジャブの使い方が特に重要となる。打ち合いながらジャブを合わせるか、あるいはボディを叩いてザヤスのジャブを封じることで、距離を詰める展開が作りやすくなる。
バラオウはインサイドでの仕事において、頭部とボディへの強打を当てる能力に優れている。ただし、その位置に入った後、ガルシア戦終盤のザヤスのようにクリンチで逃げられる展開は許されない。
ザヤスが距離を外そうとする際に放つストレート右も、バラオウにとっては重要な武器となる可能性がある。また、ザヤスと打ち合う中で強打を当てるチャンスを見いだすこともできるだろう。
試合の流れ、特に終盤の主導権は、バラオウがどれだけペースを押し上げ、ボディを攻め続けられるかにかかっている。それらで成功を収め、試合が進むにつれてザヤスを消耗させることができれば、層の厚い154ポンド級で2本目の世界王座を手にする立場に立つことになる。
バラオウが勝てば何を意味するのか?バラオウは、これまで脇役的な存在と見なされてきた立場から、一転して154ポンド級の全てのカードを握る存在となる。また、敵地に乗り込み、相手の母国で王座を奪うという偉業を2戦連続で成し遂げることにもなる。
それは決して軽視できるものではない。敵地でザヤスを明確な内容で下すことができれば、154ポンド級のトップクラスの誰と対峙しても十分に勝機があることを証明することになるからだ。
関係者の声:「ABの新しい一面を見ることになるだろう。これまで見たことのないものだ。人々は驚くはずだし、ファンは自分のためにレッドカーペットを敷く準備をしておくべきだ」