オーランド発――
ヨエニス・テレスと
アバス・バラオは、WBA世界ジュニアミドル級暫定王座戦に臨むにあたり、自らのプレッシャーが相手を打ち砕くと宣言してリングに上がった。
この宣言どおり、試合は2025年を代表する名勝負のひとつとなった。最終的にアバス・バラオがカリベ・ロイヤルで行われたWBA世界ジュニアミドル級暫定王座戦を制し、第12ラウンド残り数秒でヨエニス・テレスを倒してから判定勝ちを収め、新王者に輝いた。
ジャッジの採点はジェレミー・ヘイズが117-110、エフライン・レブロンが115-112、ネルソン・バスケスが116-111。バラオ(17勝1敗、9KO)はプロ入り後初めてテレス(10勝1敗、7KO)に黒星をつけた。
接戦の流れの中で、バラオはアクセルを踏み込み、疲労が見えるテレスに連打を浴びせて主導権を握った。テレスも必死に打ち返したが、長年待ち続けたチャンスを逃すまいとする執念でバラオがさらにギアを上げ、残り約10秒、オーソドックスからサウスポーに切り替えると鋭い一撃でテレスを倒した。
このハイステークスな12回戦は、主導権がめまぐるしく入れ替わる展開となった。アバス・バラオのプレッシャーとコンビネーションはヨエニス・テレスに目に見える影響を与え、一方のテレスもロープ際でのカウンターや割り込むパンチで活路を見出した。両者の攻撃は主に頭部とボディへのフックやアッパーで構成された。
序盤から互いに手数を出し合い、試合は接戦の様相を呈したが、後半に入るとバラオが接近戦での圧力と連打を強め、徐々に優位に立った。
しかしチャンピオンシップラウンドに入ると、試合を奪われつつあることを感じたテレスがサウスポーに構えを変えて前進。連打をまとめ、ロープに詰まらない展開を作り、この試合で最も良いラウンドを重ねた。
テレスの終盤の追い上げが劇的な第12ラウンドの舞台を整えたが、最終的にはバラオのプレッシャーと粘り強さが勝った。パンチスタッツも試合の接戦ぶりを示しており、バラオが214発対205発とわずかにテレスを上回った。