従兄のクリス・ユーバンク・ジュニアが
コナー・ベンに痛烈な敗戦を喫してから、わずか六日。ハーレム・ユーバンクは再びリングに戻り、名門ユーバンク一家の旗を掲げて戦う。
三十一歳のウェルター級コンテンダーは、土曜の夜に従兄の試合を会場で見届けなかったのは今回が初めてだった。
ハーレム・ユーバンク(21勝1敗9KO)は、
金曜夜にイングランド・ブライトンのブライトン・センターで控えるジョシュ・ワグナー(19勝1敗10KO)とのキャリアの分岐点となる試合に備えるため、休養を選んだ。
「本当はクリスのそばにいたかった」とユーバンクは The Ring に語った。「これまでずっと彼を支えてきたし、全ての試合を見届けてきた。でも今回は家で一人で観るしかなかった。金曜の試合が目前に迫っていたから、そのために犠牲にすべきことがあった。勝つために必要なことをやるなら、こうした犠牲は避けられない。」
ユーバンクの前戦は七月五日、
マンチェスターで期待されたジャック・キャテロールとの国内対決だったが、わずか七ラウンドで終わってしまった。偶発的なバッティングで両者にカットが生じ、レフェリーのボブ・ウィリアムズがキャテロール続行不可能と判断したためだ。
その時点で三者とも
キャテロールを支持しており、ユーバンクはテクニカル判定でキャリア初黒星を喫した。ゆえに、三十三歳のアンダードッグ、カナダ・オンタリオ出身のワグナーに金曜敗れるようなことがあれば、彼の世界タイトルへの野望にとって壊滅的な打撃となる。
しかしユーバンクは、
ロンドンのトッテナム・ホットスパー・スタジアムでのベン戦の結果によって自分への重圧が増したという見方を否定した。従兄の敗戦後に「勝たなければならない使命」を感じるかと問われると、彼はこう答えた。「どんな時でも使命は常にある。俺たちはリングに上がるたび、家族の名と尊厳、この家に生まれた者への期待値――そして叔父クリスがリング内外で成し遂げてきたすべて――それらを守るために最善を尽くしてきた。」
「彼に誇りに思ってもらいたいし、受け継がれてきたものを守り続けたい。クリスがどう動こうと、俺たちは常にその重さを背負っている。」
ベン戦でのクリスの脆さと覇気の欠如を踏まえ、彼が次にどう動くのかという問題が一気に浮上した。最終ラウンドに二度倒され、判定は三者とも大差の敗北だった。
三十六歳のユーバンクはキャンプ中に何らかの問題があったことを示唆したが、詳細は明かさなかった。今後についても言及を避けた。
クリス・ユーバンク・シニアは息子に引退してほしいという考えを隠しておらず、従兄のハーレムもその理由を理解している。
「正直、観るのはつらかった」とユーバンクは土曜のメインイベントを振り返る。「普段できることが何一つできていなかった。初回から、本来の彼の力の片鱗すら見えなかった。今抱えている問題にしっかり向き合う時間を取り、これまでどれだけ進んできたかを振り返ってほしい。彼はこの競技で多くを成し遂げてきたし、もう証明すべきものはほとんど残っていないと思う。」
「前の試合後、家族として ‘これ以上パンチをもらう姿は見たくない’ と言った。でも彼はファイターだ。ファイターの魂を持つ人間から、その性を奪うことはできない。何を選ぶかは彼自身の判断だし、俺はその選択を支える。」
しかし今週の彼は、ワグナーを倒し、ユーバンク家にとって大きな飛躍の年となり得る二〇二六年を切り開くことだけに集中している。
「金曜の試合の先を見るつもりはないが、来年は世界王者になる計画がある」とユーバンクは語った。「その前にジョシュ・ワグナーという男が立ちはだかる。倒しにいかないとな。」
「この試合に勝てばトップ15に入る。でもワグナーも人生を変えるために飢えて挑んでくる。俺も同じだ。何も変わらない。」