ニューヨーク発 —
ハムザ・シェラーズは、4か月前のパフォーマンスを踏まえて、今週土曜の試合で特別なプレッシャーを感じているわけではない。
シェラーズは、
カルロス・アダメス戦を初黒星なしで切り抜けたことにより、批判的な声に格好の材料を与えたことを自覚している。多くの人がアダメスの勝利だと見なしたその試合は、
2024年2月22日にサウジアラビア・リヤドのANBアリーナで行われたWBC世界ミドル級タイトルマッチだったが、結果はスプリット・ドローだった。
ジャッジのひとり、バリー・リンターマンはなんと10ラウンドをシェラーズに与え、118-110という大差をつけた。一方、グイド・カヴァレリはアダメスを115-114で勝者とし、オマール・ミントゥンSr.は114-114のドローと採点した。
アダメス(24勝1敗1分、18KO)は
『The Ring』誌のミドル級ランキングで2位に位置する実力者であり、シェラーズのこれまでの22人の対戦相手の中で最も手強い相手だったのは間違いない。さらにシェラーズは、この試合の序盤に右手を負傷し、攻撃の手数が制限されてしまった。
不本意なパフォーマンスだったにもかかわらず、シェラーズは自らの身長6フィート4インチの体をこれ以上ミドル級のリミットである160ポンドまで絞ることはできないと確信するに至った。
野心あふれるこの英国人は、スーパーミドル級デビュー戦にもっと楽な相手を選ぶこともできたはずだ。だがイルフォード出身のハムザ・シーラズは、
エドガー・ベルランガとの一戦をキャリアを変えるチャンスと捉えている。
トゥルキ・アル・シェイク閣下は、もしシェラーズがベルランガに勝てば、この階級の4団体統一王者
カネロ・アルバレスの
対戦候補に挙げているが、シェラーズ自身は地元ブルックリンで戦うベルランガの方にプレッシャーがかかっていると感じている。
28歳のベルランガと26歳のシェラーズによる12ラウンド戦は、Ring III』のメインイベントとして行われる。この大会は、ニューヨーク・クイーンズのルイ・アームストロング・スタジアムで開催され、DAZNのペイ・パー・ビュー番組として配信される。アメリカでは午後5時(東部標準時)に開始予定で、料金は59.99ドル。イギリスでは午後10時(英国標準時)に開始予定で、料金は24.99ポンドである。
「前回の試合でのパフォーマンスがプレッシャーになることはない」と、シェラーズは水曜日にタイムズスクエアのハードロック・カフェ・ニューヨークで行われた公開練習後、集まった記者団に語った。「むしろプレッシャーは減ったよ。だって、人々はアダメス戦での俺の最悪の姿を見てしまったからね。あとはそこから立ち直って、もっと強くなるだけだ。そして今回は、その大きなチャンスがある。」
ビッグマウスで知られるエドガー・ベルランガ(23勝1敗、18KO)は、同階級でも屈指のハードパンチャーだ。しかし、シェラーズ(21勝0敗1分、17KO)は今週のファイトウィークをいつもよりフレッシュかつ強いと感じている。というのも、金曜日の試合に向けて160ポンドまで減量する必要がなかったからだ。
「今が一番充実している」と、7年前にスーパーウェルター級でプロデビューしたシェラーズは語った。「体調もいいし、エネルギーにあふれている。試合数日前なのに、これまでで一番よくしゃべってるし、気分も明るいよ。」
シェラーズは、単にメキシコのカネロ・アルバレスに続く「ベルランガを倒した男」になりたいわけではない。長身で強打のこの有望株は、ベルランガを試合中に初めてKO・TKOで止めるファイターになることを狙っている。
「あいつを絶対にノックアウトしなきゃいけない」とシェラーズは言った。「間違いない。」
カネロ・アルバレス(63勝2敗2分、39KO)は、昨年9月14日にラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われたベルランガ戦の第3ラウンド序盤にベルランガをダウンさせた。ベルランガは
立て直して12ラウンドを戦い抜いたが、『The Ring』誌をはじめ、IBF、WBA、WBC、WBOの168ポンド王座を保持するカネロに判定で敗れている。
今回の試合では、シェラーズが-135でわずかに有利と見られており、ベルランガは+110。ベルランガが唯一敗れているのは、アルバレスとの判定によるものだ。
Keith Idec は『ザ・リング・マガジン』の上級記者兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡可能。