フレイザー・クラークは、7月19日に
ダニエル・デュボアが世界統一ヘビー級王者になるためには、
オレクサンドル・ウシクが「少し調子を崩す必要がある」と考えている。
WBC、WBA、WBO、そしてザ・リング・マガジンの王者であるウシク(23勝0敗14KO)と、IBF王者デュボア(22勝2敗21KO)はロンドンのウェンブリー・スタジアムで対戦する。
昨年10月に
ファビオ・ウォードリーに衝撃の初回ストップ負けを喫したものの、完全復活を果たした33歳のクラーク(9勝1敗1分、7KO)は、階級での地位を取り戻すべく全力を尽くしている。
2020年オリンピック銅メダリストのクラークは、4月に復帰戦を迎え、
ガーナのベテラン、エベネザー・テテを1ラウンドでノックアウトした。talkSPORTのインタビューで、最近無敗の統一王者とトレーニングキャンプを共にしたことを明かしている。.
クラークはシェフィールドでのチームGBボクシング時代に若きデュボアとリングを共有しており、今後の再戦について意見を述べるのに理想的な立場にある。
「彼はただただ素晴らしいオペレーターだ。長年多くのチャンピオンとリングを共にしてきたが、ウシクはその中でもトップクラスの存在だ」とクラークはウシクとの時間について語った。
「彼が上手くこなす細かな部分は、一見すると気づきにくいことばかりだ。ファイターとしての自分にとって、そのプロフェッショナリズムのレベルから多くを学んだ。数ラウンドだけだが彼と経験を共有し、多くを吸収できた。そう、偉大なチャンピオンであり、素晴らしいファイターだ。」
2023年8月、ウシクは初戦で長時間にわたりデュボアを圧倒したが、ロンドン出身のデュボアは、5回に放った強烈なボディショットでウシクをキャンバスに沈めた際に不当な扱いを受けたと今も信じている。
レフェリーのルイス・パボンはカウントを数える代わりに、そのパンチがベルト下に入ったと判断。ウシクは約4分間立て直しの時間を取り、その後、意気消沈したデュボアに圧力を強め、9回序盤に膝をつかせた。
この2年間で、ザ・リングのヘビー級ランキング2位のデュボアは自身を立て直し、無敗のジャレル・ミラーやフィリップ・フルゴビッチ、さらに二度の統一王
者アンソニー・ジョシュアを相手にストップ勝利を重ね、IBF王座を獲得した。
一方ウシクは、
タイソン・フューリーを判定で下し、21世紀初の無敗統一ヘビー級王者となり、その偉業を再戦でも繰り返した。
それでも、この輝かしいウクライナ人は現在38歳であり、これまで衰えの兆候はほとんど見られなかったものの、
徐々にダメージの蓄積が表れ始める危険な領域に足を踏み入れつつある。
「それがデュボアの望みであることは間違いないし、彼にチャンスがあることも認めている」とクラークは語った。
「デュボアは素晴らしいファイターだ。強烈なパンチを持ち、この階級で最もパンチ力のある選手の一人だからチャンスはある。ただ、相手はこれまで見てきた中でも最高峰の選手の一人だ。だからこそ、デュボアは自身のキャリア最高の夜を迎え、もしかしたらウシクが少し調子を崩すことを願わなければならない」