プエルトリコのボクシングを背負う重みを、フェリックス“ティト”トリニダードほど感じるファイターはほとんどいない。
トリニダードは1990年代に無敗の40勝(33KO)を積み上げ、ウェルター級とスーパーウェルター級で統一王者になり、ミドル級でも世界タイトルを獲得した。当時のボクシング界を牽引した存在であり、クーペイ・アルト出身の彼が地元のファンやボクサーに与えた影響は、今後まず再現されないだろう。
その影響力は、彼が現れるたびに巻き起こる「ティト!」の大歓声にも表れる。
ザンダー・サイヤスは、6歳のとき以来初めてトリニダードと対面した瞬間、思わず涙ぐんだ。
それから17年、若きチャンピオンとしてプエルトリコの新しい顔になりつつあるサイヤスの姿を見て、トリニダードは大いに満足している。
「本当にザンダー・サイヤスを誇りに思う」とトリニダードは『ザ・リング』に語る。「彼は素晴らしいボクサーに成長する。ボクシングとプエルトリコを象徴する最高の存在だ。彼がボクシング界で見せているものを見ると、本当に誇らしくなる。」
この勝利により、当時22歳だったサイヤスはボクシング界最年少の世界王者となり、現在も男子として最年少王者の座を保っている。
サイヤスがWBO王座の初防衛戦に挑むのは1月31日、サンフアンのコリセオ・デ・プエルトリコ。WBAスーパーウェルター級王者
アバス・バラオ(17勝1敗、9KO)と154ポンドの王座統一戦を行うことが、水曜日にサンフアンで開かれた記者会見で正式発表された。
「地元サンフアンで防衛戦をやるなんて最高だ」とサイヤスは語る。「プロになってからプエルトリコで戦ったのは4戦目の一度だけ。今、世界王者として戻るわけだから、今回はもっと大きな舞台になると思う。」