エリスランディ・ララは、土曜夜サンアントニオのフロスト・バンク・センターで1ラウンドと12ラウンドにダウンを奪った以外、観客を沸かせるような内容を見せたわけではない。
このキューバ人サウスポーは、ホアン・ゴンサレスのパンチの大半をかわし、自分の手数は最小限に抑え、判定で大差勝ちできると踏んだように淡々と試合を進めた。ミドル級タイトル戦としては退屈な展開が続き、会場からブーイングが飛んだが、ララは気にする様子もなく、アイザック・クルス vs ラモント・ローチのPPVアンダーカードで自分の仕事を着実にこなした。
ジャッジのロバート・ホイル(118-108)、ジェシー・レイエス(120-106)、イグナシオ・ロブレス(119-107)は、いずれも大差でララを支持した。
42歳のララはWBAミドル級王座を防衛。現役最年長の世界王者は、2021年にJミドル級から階級を上げて以降、これで5連勝となる。
ベネズエラ出身のゴンサレス(34歳)は、
元々の対戦相手であるIBF/WBO王者
ジャニベク・アリムハヌリ(17勝2敗、12KO)が
禁止薬物メルドニウムの陽性反応を示したため、1週間未満の急なオファーで代役として登場。これで直近5戦で2勝3敗となった。
ララ(32勝3敗3分、19KO)は、12ラウンド終盤に左を3発まとめてヒットさせ、ゴンサレス(36勝5敗、34KO)をダウンさせる。ゴンサレスはマーク・ネルソンのカウント10以内に立ち上がり、そのすぐ後に試合終了のゴングが鳴った。
ララが記録した2度目のダウンは、9〜11ラウンドが特に見せ場もなく終わった後のことだった。
8ラウンド残り40秒弱、ララはバッティングがあったとネルソンに抗議。だが、このラウンドで目立つ場面といえばそれくらい。
4〜7ラウンドは、ララの回避能力の高さによってゴンサレスの手数が大きく制限される展開。
5ラウンド残り40秒ほどでララのストレート左が決まり、ゴンサレスが後ろへ弾かれたが、この12分間(4〜6ラウンド)で目立った強打はほとんどなかった。
3ラウンドのララはリングを回りながら、時折パンチを返す慎重なスタイル。ゴンサレスは残り40秒弱、ララをロープに追い込み、ボディへ力強い右を2発叩き込む。
1ラウンド終盤1分弱、バランスを崩したゴンサレスにララの左が当たり、ゴンサレスはキャンバスへ落ちる。キャリア6度目のダウンだったが、ネルソンのカウントには素早く反応し、大きなダメージはなさそうだった。
Keith Idec は『ザ・リング』のシニアライター兼コラムニスト。Xでは @idecboxing で連絡が取れる。