マニー・パッキャオがカムバックを決意する理由を理解してくれる人物は、そう遠くにはいない。
パッキャオと三度にわたって拳を交えた
エリック・モラレスこそ、その理解者である。モラレス自身もかつて、2年半近くリングから離れた後に現役復帰し、4階級制覇を目指した経験がある。モラレスは、歴史を追い求めるパッキャオの姿勢を擁護し、すべてのボクサーはファンとは異なる視点でボクシングを見ていると語る。
それでもモラレスは、7月19日にラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナでWBCウェルター級王者マリオ・バリオスと対戦するパッキャオには、険しい道のりが待っていると考えている。
「俺たちボクサーは、多くの場合、常識では測れない存在なんだ」とモラレスは通訳を通じて
『ザ・リング・マガジン』に語った。「人々にはそれが理解できないことがあるし、ボクサーは観客には見えないものが見えている。でも同時に、観客にはボクサーに見えないものが見えているとも思う。彼が再び勝利をつかみに行きたいという気持ちはよくわかる。俺も同じ気持ちを経験したから、彼の今の心境がよくわかる。再びチャンピオンになりたいという思いなんだろう。彼にはまだ多くの可能性があると思うが、バリオスの若さが彼にとって大きな武器になるだろう」
パッキャオは、日曜日に
国際ボクシング殿堂入りを果たしたばかりで、モラレスとの三番勝負では2勝1敗。第2戦は10ラウンドTKO、第3戦は3ラウンドTKOで勝利している。一方、初戦はモラレスが判定勝ちを収めている。
モラレス(52勝9敗、36KO)は48歳。引退から復帰後、パブロ・セサール・カノを10ラウンドTKOで下し、WBC世界スーパーライト級王座を獲得してメキシコ初の4階級制覇王者となり、歴史を作った。ただし、モラレスはパッキャオよりもはるかに若かった。彼は30歳で一度引退し、32歳でカムバック。その後、35歳でWBCスーパーライト級王者となった。一方、パッキャオは42歳で引退し、
46歳で再びリングに戻ろうとしている。
もしパッキャオ(62勝8敗2分、39KO)がバリオス(29勝2敗1分、18KO)を下せば、史上最年長のウェルター級世界王者となる。彼はすでに2019年7月20日、40歳でキース・サーマンを破り、WBAウェルター級王者となった際に最年長記録を打ち立てている。
ボクシング史上唯一の8階級制覇王者であるパッキャオが最後にリングに立ったのは2021年8月21日。エロール・スペンスJr.の負傷により代役出場したヨルデニス・ウガスとの試合で、判定負けを喫した。当時のパッキャオは42歳であり、年齢の影響を色濃く感じさせる内容だった。しかし、本人は約4年のブランクと、今回はトレーニングキャンプにおける雑念のなさが、バリオス戦で大きな成果をもたらすと信じている。
ファンの間では、すでに殿堂入りを果たしたレジェンドの更なる挑戦に対し懸念の声もあるが、モラレスは番狂わせを起こすだけの力はまだ残っていると信じており、むしろ心配すべき対象は別にあると語っている。
「偉大なチャンピオンたちは皆、強い意志を持っている」とモラレスは語った。「彼らは自分がやりたいことをやるだけだ。それでいいんだ」